PayPalがNFTトランザクションの制限へ
米国の多国籍企業であるPayPalが、売り手保護プログラムを改訂して、10,000ドル(約115万円)を超えるNFT(非代替性トークン)トランザクションを除外した事が新たに分かった。
今回のPayPalによるNFTトランザクションを含むポリシーの更新は、悪意のある人物が市場内のユーザーを不正にだましていることをきっかけに行われたとの見方が強い。PayPalのポリシー更新ページによると、10,000ドルを超える価値のあるNFTトランザクションは対象外で、変更は2022年3月21日から有効になるとのこと。
さらに詳細に記載された文書には、アート、メディア、骨董品、収集品など、物理的またはデジタル的に、10,000ドルを超える価値のあるNFTまたは取引時に計算された現地通貨での同等の価値で表されるアイテムまたは、取引はその売り手保護プログラムの資格がないと記載されている。
2020年より仮想通貨購入に対応しているPayPal
PayPalは、2020年10月に米国ユーザーがビットコイン(Bitcoin/BTC)やその他の仮想通貨を購入できるようにすることを発表している。
翌2021年に同社は、ユーザーがビットコイン、イーサリアム(Ethereum/ETH)、ビットコインキャッシュ(BitcoinCash/BCH)など、他銘柄仮想通貨の保有ができるようになった。仮想通貨の「移行点」についてPayPalのダン・シュルマン(Dan Schulman)CEO(最高経営責任者)兼社長は以前、次のように述べている。
PayPalウォレット内でクレジットカードやデビットカードと同じように仮想通貨をシームレスに使用できるのはこれが初めてです。これは、仮想通貨が主に購入、保持、販売する資産クラスから、現実の世界で何百万もの商人と取引を行うための正当な資金源になる移行点であると考えています。
NFT市場での悪意ある動きに対応か
PayPalの動きは、米国を拠点とするNFTマーケットプレイスであるCentが、横行する詐欺や偽造デジタル資産を理由にNFTの販売を停止してから1週間も経たないうちに実行されている。
同社のキャメロン・ヘジャジ(Cameron Hejazi)CEOは、ペースの速いデジタル資産の世界では、これを「根本的な問題」と呼んでいる。なお、Centは、NEXTMONEYの2021年3月24日付特集記事「Twitterジャック・ドーシーCEO、史上初ツイートのNFTを290万ドルで売却」で報じた元Twitter CEOのジャック・ドーシー(Jack Dorsey)氏初ツイートのデジタル化バージョンオークションを主催したことで認知度が上昇した企業である。