AP通信がジャーナリズムサポートでNFTマーケットプレイスを立ち上げ

AP通信がNFTマーケットプレイスを立ち上げ

米・非営利通信のAP通信はジャーナリズムをサポートするため、イーサリアム(Ethereum)のサイドチェーンスケーリングソリューションであるポリゴン(Polygon)で、NFT(非代替性トークン)マーケットプレイスを立ち上げたことが明らかになった。

1月10日(月曜日)付けAP通信の報告によると、NFTマーケットプレイスのブロックチェーン基盤にはPolygonが採用され、ブロックチェーン開発企業のXooaが開発協力を行なっている。Polygonは、Ethereumメインネットよりも大幅に少ないエネルギーで、より高速・より安価なトランザクションを提供できるためNFTマーケットプレイスとの相性が良いとされている。

AP通信は1月31日(月曜日)から初のNFTドロップを実施し、戦争、気候、宇宙などのトピックに焦点を当てたエミリオ・モレナッティ(Emilio Morenatti)氏やオデッデ・バリリティ(Oded Balilty)氏など、米国の報道・文学・音楽分野で卓越した業績を上げた人物らに対して贈られるピューリッツァー賞を受賞した写真家らのショットがリリースされる予定だ。

ブロックチェーン技術を積極的に採用するAP社

APマーケットプレイスは、クレジットカードと仮想通貨の両方の支払いをサポートし、流通市場での販売も可能にする予定で、収益はリリースごとにAP通信のジャーナリズムへ還元されるとのこと。

各NFTは、問題の写真に関する詳細なメタデータ(または保存された情報)を備えており、メタデータには、各写真の日付、時刻、場所に関する情報および画像のキャプチャーに使用される機器とカメラの設定が含まれる。APのブロックチェーンおよびデータライセンスのディレクターであるドウェイン・デソールニエ賞(Dwayne Desaulniers)氏は、次のように述べている。

175年間、AP通信の写真家は、今日も共鳴し続ける魅力的で心に訴える画像を通じて、世界最大のストーリーを記録してきました。Xooaのテクノロジーにより、これらのトークン化された作品を、急成長している世界中の写真NFTコレクターに提供できることを誇りに思います。

また、Xooaのマーケットプレイス責任者であるザックダンカー-フェルドマン(Zach Danker-Feldman)氏も、次のようにコメントしている。

XooaはAP通信と協力してNFTマーケットプレイスを立ち上げることができて光栄に思います。Xooaは、NFTマーケットプレイスに関するブランドとの連携により、仮想世界と現実世界との間の強力な結びつきを実現しています。今回のマーケットプレイス展開では、多くのコレクターが素晴らしい写真への関心を共有するコミュニティに参加できるよう、アクセシビリティーに重点を置いています。

AP通信は近年ブロックチェーンへの関心を示しており、2020年11月には、NEXTMONEYの特集記事「AP通信、米大統領選挙の開票結果をブロックチェーンで公開」で報じたように、大統領選の開票結果にブロックチェーン技術を採用。さらに、2021年5月には設立175年を記念したNFアート作品を販売したほか、報道の観点でもブロックチェーンを活用している。10月には、開発者がAPデータにアクセスできるようにするため、OracleネットワークChainlink(チェーンリンク)との連携を発表している。

AP通信、米大統領選挙の開票結果をブロックチェーンで公開

2020.11.05