イスラエルがハマスにリンクする企業から仮想通貨で84万ドルを押収

イスラエル当局がテロ関与企業の資金を押収

イスラエル当局は、テロ活動へ資金提供していると思われる個人や企業を取り締まるために努力を続けており、ハマスに関連するガザに拠点を持つ企業から、84万ドル相当のさまざまな仮想通貨を押収した事がわかった。

現地メディアISRAEL NATIONAL NEWS報道によると、イスラエルのベニー・グランツ(Benny Grantz)国防相はテロへの資金提供に関連しているとみられる企業が保有していた資金の押収命令に署名。押収された資金は非公開の仮想通貨でNIS 260万(約9,600万円相当)に上ったという。押収対象となった資金は、マラック家に属するアル・マサドン(al-Mathaddon)取引所に関連していたとのことで、同取引所はガザ地区に拠点を持つハマスと深い関与が疑われている企業であったという。今回の押収は、グランツ国防相が同じくアル・マサドン取引所に属する150件のデジタルウォレットを没収した後、直近数カ月で2番目の仮想通貨押収額にあたるという。

同社はハメド・アフメド・クンダリ(Hamed Ahmed Khundari、※テロへの資金提供も担当)容疑者が暗殺された後、事業を強化させており、押収された資金はハマスに提供されていたという。今回の押収劇についてグランツ国防相は次のように語っている。

私たちはテロ資金を追求し続けます。ハマスへの打撃と、デジタル通貨を介して資金を送金するための従来の経路を回避するテロ組織の能力は、セキュリティシステムの開発における重要なツールです。

イスラエル当局は、テロ資金調達およびマネーロンダリング(資金洗浄)との闘いのため、NEXTMONEYの特集記事「イスラエル政府が仮想通貨に対テロ銀行規則を適用へ」で報じたように、仮想通貨を含むいくつかのデジタル金融商品に対し、新しい規制を課す計画を明かしている。その背景には、犯罪活動やテロ資金供与において、仮想通貨を使用する事を減らすことを目的としている。

イスラエル政府が仮想通貨に対テロ銀行規則を適用へ

2021.11.18