国内大手貿易会社の伊藤忠商事がブロックチェーンによる追跡システムを開発を発表
日本の大手貿易会社である伊藤忠が、公式にブロックチェーンのPoC(概念実証)の開始を発表した。このPoCではブロックチェーン追跡システムの開発を目指すとという。
伊藤忠が発表するブロックチェーンシステムとは?
伊藤忠商事株式会社は日本で5大貿易企業の一つとして知られている。同企業は、ブロックチェーン追跡システムを買い手と売り手の取引日付、時間、場所などの詳細情報をブロックチェーンに保存し、スマートフォンアプリで確認できるようにするとしている。
このシステムは、インドネシアを拠点におく企業Pt. Aneka Bumi Pratamaの天然ゴムサプライチェーンをターゲットとしている。この企業はゴムの生産を行なっており、伊藤忠の完全子会社となっている。
システムの目的とは
今回の発表は、国連によって定義された”‘The 2030 Agenda for Sustainable Development“において17の持続可能開発目標を達成することが大きな目的となっているという。
伊藤忠は、以下のように述べた。
「ブロックチェーン追跡システムを開発する目的は、顧客への安定した材料の供給を確実に行い製品の追跡機能を向上させることである」
材料を追跡するためのブロックチェーンの活用は、昨年から盛んに行われている。
2018年10月にアフリカのルワンダで、電化製品に使われるタンタルという金属を生産する大手企業が紛争鉱物の採掘を記録・追跡するためにブロックチェーンスタートアップ企業と提携している。
さらに、同年11月には韓国政府が牛肉のサプライチェーン情報を消費者に提供するためにブロックチェーン技術を採用する予定であることを発表している。