クラーケン(Kraken)は裁判所命令に従いユーザーデータをIRSに引き渡す

クラーケンがユーザーデータをIRSへ引き渡す

世界有数の仮想通貨取引所であるクラーケン(Kraken)は最近、米連邦裁判所からIRS(米国内国歳入庁)にユーザーデータを引き渡すよう命じられたことが明らかになった。

カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所によって出された裁判所命令はクラーケンに対し、2016年から2020年の間に20,000ドル(約290万円)を超える仮想通貨取引をしたユーザーの顧客情報をIRSに提供することを義務付けている。2023年6月30日(金曜日)の判決で、ジョセフ・スペロ(Joseph Spero)判事は、IRSがユーザーのデータにアクセスすることを阻止しようとするクラーケンの闘いに終止符を打った。その結果同判事は、クラーケンに対し、ユーザー名、取引記録、生年月日、納税者番号、住所、電話番号、電子メールアドレス、その他の文書を開示することを支持した。

この裁判所命令は、仮想通貨業界における税務コンプライアンスを確保するための規制当局の継続的な取り組みを強調するものである。

判決は個人や企業のプライバシー権とのバランスを反映

ユーザー情報の開示に加えてクラーケンは、米国連邦裁判所から、ブロックチェーンのアドレスと取引ハッシュをIRSに公開するよう指示されており、裁判所によると、これらのデータ要素はIRSが暗号取引を追跡・分析する上で重要な役割を果たすという。

この命令は、税務規制の遵守を確認し、仮想通貨利益を正確に報告しなかった可能性のある個人を特定するためのIRSの努力の一環であり、クラーケンがSEC(米国証券取引委員会)と、同社のステーキング・サービスに関連した証券取引法違反の容疑で和解に達した直後のことである。

また、IRSがすでにコインベース(Coinbase)、サークル(Circle)、SFOXのような仮想通貨会社からユーザーデータを入手しており、審理中に同判事は、IRSがクラーケンからユーザーデータを入手するために行った要求を慎重に評価している。同判事はその評価の中で、政府の召喚が適切に焦点を絞ったものであり、意図した目的を達成するために必要なものであるかどうかを判断することの重要性を強調。特に同判事は、クラーケンからの雇用情報と富の源泉に関するIRSの要求を否定しており、同判事の判決は、規制当局の調査と関係する個人や企業のプライバシー権との間でバランスを取る必要性を反映したものである。

判決の中でスペロ判事は、クラーケンには400万人以上の顧客がおり、2011年から2017年の間にプラットフォーム上で1,400億ドル(約20兆円)以上の取引をしたと主張するIRSエージェントを引用した。裁判所は、ユーザーの純資産、収入源、雇用など、クラーケンのデューデリジェンスアンケートに記載されているマネーロンダリング(資金洗浄)防止調査やその他の詳細に関する情報に対するIRSの要求を却下。この判決は、政府の要求が適切な標的を定め、意図する目的を達成するために必要な範囲を超えないようにする裁判所の責任を強調している。

IRSが税務目的で取引所からユーザーの情報を要求するのは今回が初めてではないが、仮想通貨業界は米国の規制当局からいくつかの課題に直面しているため、この決定のタイミングは重要であるとみられている。