クレイグ・ライト氏がビットコイン訴訟請求を回避
ビットコインの発明者であるサトシ・ナカモトであると主張するクレイグ・ライト(Craig Wright)氏は、1,700億ドル(約19兆3,327億円)のビットコイン訴訟請求を回避したことが明らかになった。
米国フロリダ州南部地区の地方裁判所は2021年12月1日(水曜日)、陪審員は4日間も評議を続けたが、評決に至らなかったと宣言。結果として6日に陪審員は、ライト氏に懲罰的損害賠償はないと裁定し、亡くなったパートナーの資産を盗んだとして、1億ドル(約113億円)の罰金を科されるに止まった。
この事件は、2013年に亡くなったライト氏のビジネスパートナーであるデイブ・クレイマン(Dave Kleiman)氏とともに設立した、フロリダを拠点とするW&K Information Defense ResearchLLCからビットコイン関連の資産を取得したとされている。これに対して2018年、クレイマン氏側弁護士は、オーストラリアのIT専門家であるライト氏に対して訴訟を起こし、ライト氏がビットコインブロックチェーンの発明に関与した2人の男性間のビジネスパートナーシップに違反したと主張。ライト氏はクレイマン氏が亡くなった後に資産を取得したことに関し、詐欺や盗難から受託者責任の違反などの責任に問われ、およそ1,700億ドルの損害賠償に直面していた。今回の判決に関してライト氏は次のように述べた。
驚くべき良い結果であり、私がサトシ・ナカモトであると完全に立証されたと感じています。仮想通貨からデジタルキャッシュなど、私の最初の発明が戻ってきました。私はどこにも行きません、私はさらなる裁判のためにここにいます。
大幅減額された賠償金に喜びの声
クレイマン氏の弁護士も、ライト氏がクライアントであるW&K Information Defense Research LLCからビットコイン関連の資産を不正に取得したことを反映し、1億ドルの罰金が課されたことを非常に嬉しく思うと述べている。
当初、1,700億ドルの損害賠償に直面していたライト氏からすれば、1億ドルの罰金に終わったことは朗報であり、両者の弁護士と被告が満足していることから上訴はされないとみられている。その一方で、被告のライト氏はビットコインを発明したと主張しているが、ビットコイン・コミュニティは大きな疑いを持っており、その主張が証明されたことはないのが現状だ。