世界銀行がエルサルバドルの支援要請を拒否
世界銀行は、ビットコインを法定通貨として採用するための支援を求めるエルサルバドルからの要請を拒否したことが分かった。
NEXTMONEYの特集記事「エルサルバドルが圧倒的多数で正式にビットコインを法定通貨として可決」で報じたように、エルサルバドルは米ドルを公式通貨として使用しているが、同国議会は6月9日(水曜日)、9月以降のすべての取引で揮発性の仮想通貨を使用できるようにする措置である通称“ビットコイン法”を世界初で承認。その後、同国のアレハンドロ・セラヤ(Alejandro Zelaya)財務相が、ナジブ・ブケレ(Nayib Bukele)大統領が仮想通貨の使用を実施および規制するために世界銀行に「技術的支援」を要請した事を明かした。
世界銀行はブケレ大統領からの技術的支援要請に対し、世界銀行関係者は、AFP通信に対して次のようにメールで語った。
(エルサルバドル)政府は、ビットコインの支援を求めて私たち(世界銀行)にアプローチしましたが、環境と透明性の欠点を考えると、これは世界銀行がサポートできるものではありません。そのため、私たちは、通貨の透明性や規制プロセスなど、さまざまな方法でエルサルバドルを支援することに尽力しています。
米ドルをビットコインに置き換えるのではない
エルサルバドル政府は「米ドルをビットコインに置き換える」のではないと強調。
同国がビットコインを法定通貨にする動きが可決された後、IMF(International Monetary Fund=国際通貨基金)は仮想通貨使用に関する懸念にフラグを立てており、IMFのスポークスマン、ゲリー・ライス(Gerry Rice)氏は次のように語っている。
法定通貨としてビットコインを採用すると、非常に注意深い分析を必要とする多くのマクロ経済、金融、法的な問題が発生します。
エルサルバドルは追加の財政援助について現在IMFと協議中であり、セラヤ財務相は最近の議論について「成功した」と述べている。ブケレ大統領は国の経済を活性化し、より多くのエルサルバドルの人々に銀行へのアクセスを拡大する方法として、この動きを推進しているとのことだ。