法学者、米国仮想通貨規制の治外法権の範囲に対して警告

米国の大学教授が仮想通貨規制の治外法権に対して警告

アーカンソー大学ロースクールのコロンビア大学ロースクールのブログにより、キャロル・ゴフォース(Carol Goforth)教授が、他国での米国の仮想通貨規制の適用は冗長性と過剰規制のリスクがあると警告したことが分かった。

同校の大学のブログに掲載された意見の中で、キャロル・ゴフォース教授は、他の国での米国の仮想通貨規制の適用は冗長性と過剰規制のリスクがあると警告した。仮想通貨の採用が増えるにつれ、ゴフォース氏はSEC(米国証券取引委員会)の行動に注視している。実際、NEXTMONEYの特集記事「テレグラム、SECが主張する「違法なICO」の訴訟取り下げを要請」、「米裁判所、テレグラムの仮想通貨へ差し止め命令」で報じたように、2019年、TelegramがGramと呼ばれる暗号資産を発行しようとした際、SECはTelegramに対して措置を講じている。これにより、Gramをグローバルに発行し、世界中の投資家から資金を受け取るつもりであったにもかかわらず、米国の規制当局の行動により、Telegramのプロジェクトは事実上終了に追い込まれている。

ゴフォース教授が指摘するリスク

ゴフォース教授は、この先例によって設定されたいくつかのリスクを強調しており、その一つに治外法権規制のリスクがあり、他国での米国法の適用は「冗長性と過剰規制の重大なリスクを生み出す可能性がある」と指摘している。

他の多くの国にはすでに独自の規制があるため、米国の規則を追加することは冗長で混乱を招く可能性があるほか、資本の自由な流れを妨げ、イノベーションを阻害するとの危険性もあると指摘している。さらに同教授は、リップルに対するSECによる現訴訟は、治外法権規制の次の先例を形作る可能性があると危惧している。実際、米国の法律が外国の取引に不均一に適用されることは、さらなる矛盾と不確実性を生み出すことを意味しており、同教授は、米国で評価され強調されている政策目標は必ずしも広く共有されているわけではないと強調している。

そういった意味では、テレグラムが登録なしで証券を発行しようとしたという理由で、SECがグラムの提案された販売を停止したことや、リップルに対するSECの訴訟などは、米国の規制の範囲外であるとの見解を同教授は示している。

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