ブロックチェーン技術でコロナウイルスワクチンを管理
英・ロンドンの2つの病院が、患者に投与する前のコロナウイルスワクチンの温度を維持するため、ブロックチェーンテクノロジーを積極的に使用していることが分かった。
イギリスのサウスウォリックシャーにある国民保健サービス施設では現在、英国Everyware社と米国のHederaHashgraph社によって開発されたブロックチェーン技術を使用している。資産監視会社のEverywareは、センサーを使用して機器をリアルタイムで監視し、ワクチンの温度を24時間追跡するソフトウェアを提供し、Hederaの分散型台帳テクノロジーはNHS(国民保健サービス施設)にデータの改ざん防止と効率的な記録を提供していくという。HederaはGoogleやIBMなどが支援するブロックチェーンコンソーシアムの一因だ。
サウスウォリックシャー、ストラットフォードアポンエイボン、ウォリック病院の3地域のNHS施設では、同テクノロジーを使用し、ワクチンの配布が進むにつれて、より広範な展開が計画されている。ワクチンの腐敗を防ぐためにワクチンは氷点下に保つ必要があるため、正確なモニタリングが不可欠だ。
英国のボリス・ジョンソン首相はツイッターで次のように述べている。
We’re making good progress with our vaccination plan, with over 4 million people now having received their first dose.
Thank you to everyone involved in this great national effort to protect the most vulnerable from the virus. We will beat this together 🇬🇧 pic.twitter.com/DD3a5cNsfO
— Boris Johnson (@BorisJohnson) January 18, 2021
(※日本語訳:
予防接種計画は順調に進んでおり、現在400万人以上が初回接種を受けています。
最も脆弱な人々をウイルスから保護するためのこの大きな全国的な取り組みに携わったすべての人に感謝します。これを一緒に打ち負かします。)
ブロックチェーンはもともと、ビットコインを支えるデジタル台帳として作成されたが、その後、金融領域外のアプリケーション向けにさまざまな業界で採用されている。実例として、IBMとウォルマートが共同でブロックチェーン技術を使用し、食品のトレーサビリティシステムを確立するなど、現在食に関連する一連企業でブロックチェーン技術が積極的に利用されている。
ブロックチェーンからコロナワクチンの温度管理の流れ
では実際、ブロックチェーンとコロナワクチンの温度管理はどのような流れで行われていくのか。
まず、センサーがワクチンを保管している冷蔵庫の温度を監視し、次に、データを独自のクラウドプラットフォームに送信する。そこで暗号化された後、Hederaのブロックチェーンネットワークに渡すという。
この操作のポイントは、ファイザーやバイオNTechから開発されたような、温度に敏感なワクチンの改ざん防止デジタル記録を保持することである。理論的には、病院はワクチンを患者に投与する前に、ワクチンの保管における不規則性を発見できるとのことだ。
既にニュースなどでも報道されているように、ファイザー社のコロナワクチンは-70度で保管する必要がある。摂氏2~8度の条件で最大5日間しか持続できないため、流通過程で大きな障害が生じる。ただし、ModernaとOxford-AstraZenecaによって開発されたコロナワクチンは、平均的な家庭用冷蔵庫の範囲内の温度で長期間保存できる。
通常のデータベースではなくブロックチェーンが必要な理由を尋ねられたスクリーン氏は次のように述べている。
プライベートデータベースに保持されているデータは、パブリックレジャーに記録されているデータの状態と照合して検証できる。ソースにできるだけ近いデータの有効性を検証する不変の台帳の利点は、ソースデータのエラーが出力データセットで拡大されるダウンストリーム分析の精度にプラスの効果をもたらします。