2020年、仮想通貨犯罪は減少=Chainalysisレポート

2020年、仮想通貨犯罪は減少=Chainalysisレポート

Chainalysisの調査によると、仮想通貨関連の犯罪は2019年から2020年にかけて大幅に減少していることが分かった。

Chainalysisのレポートによると、2019年仮想通貨関連の犯罪取引量は214億ドルで、すべての仮想通貨取引量の2.1%に相当していたが、2020年の犯罪取引量は約100億ドルであり、すべての仮想通貨取引量の約0.34%に減少しているという。さらに、2020年に発生した仮想通貨関連犯罪の大部分は、仮想通貨の詐欺の形で発生しており、続いてダークネット市場の活動とランサムウェア攻撃によるものである。

長年にわたる犯罪キャッシュフロー

Chainalysisより画像引用

しかし、仮想通貨の詐欺は2020年に最もよく見られた形の犯罪であるにも関わらず、集めた金額は、2019年に仮想通貨詐欺が集めた金額より72%少ない。これは2020年に全体を通して仮想通貨関連の犯罪が減っている証拠であり、法整備などが整ってきたということなどが理由としてあげられる。

その一方で、ランサムウェア攻撃については、2019年と比較して311%の増加が見られており、ダークネット市場の活動についても、2019年よりも29%多くの金額が取引されている。

犯罪の内訳

Chainalysisより画像引用

仮想通貨関連の犯罪が減少した理由

2020年に仮想通貨関連犯罪が大きく減った理由の一つとしては、仮想通貨取引所にKYCやAMLなどのセキュリティを義務付けたことや、世界中の政府機関による取締りの影響が挙げられる。実際に、多くの国ではKYCやAMLなどの手続きなしで仮想通貨を取引できる取引所は実装を義務化するか、そうでない場合、ほとんど閉鎖に追い込まれている。

ブロックチェーン技術は初期の時代とは異なり、政府機関は現在、仮想通貨を使用したサイバー犯罪者を追跡、特定する方法を確立しているようだ。また、ブロックチェーン分析会社は、通貨の発信元から宛先までの不正なトランザクションを全て追跡することが可能であり、犯罪者はますます、ブロックチェーンベースのテクノロジーを利用した犯罪を実行することは困難になっている。