スウェーデン、デジタル通貨(CBDC)への移行を検討

スウェーデン、デジタル通貨(CBDC)への移行を検討

スウェーデン政府は、2022年までに国立銀行がデジタル通貨(CBDC)を採用し、支払い方法としてデジタル通貨を確立する可能性を模索している。

ブルームバーグの報道によると、スウェーデン政府はCBDCを監督する委員会を設置し、スウェーデン国立銀行の財務委員会の元会長であるアンナ・キンベリ・バトラ氏が、グループの責任者に選ばれたという。スウェーデンは、CBDCの開発をリードする世界的な国の一つであり、スウェーデンの国立銀行であるRiksbankは、2月にCBDCの一種であるeクローナのテストを開始したと発表している。

eクローナはコンサルティング会社であるアクセンチュアと共同プロジェクトを立ち上げており、テストは1年間の予定だが、スウェーデン国立銀行は最大で7年間テストが行われる可能性があると述べた。

スウェーデンはデジタル通貨移行に積極的

スウェーデンでは特にコロナウイルス(COVID-19)のパンデミックの影響からキャッスレス化が進んでおり、国の紙幣であるクローナが使われなくなっていることもあり、デジタル通貨の開発が一層加速していると考えられる。一方で、スウェーデンの市民の中には、現金の代わりにSwishと呼ばれるモバイル決済アプリケーションを使用して支払いを行っている国民も増えており、スウェーデンの小売業者は、2023年にフィアットの支払い受け入れを完全に終了することになると予想されている。

カナダ銀行の副総裁であるティモシー・レーン氏も「スウェーデンは実際に転換点を迎えつつあります。企業は現金の受付をますます拒否するようになり、銀行は現金処理のサービスをますます提供しなくなっています。」と述べている。

スウェーデン国立銀行が模索しているeクローナがどのような技術を採用するかなどは明らかになっていないが、2018年のレポートには、eクローナはDLTソリューションとやりとりできるようにすべきであるとの記載もある。

DLTソリューションとは、いわゆる分散型台帳技術を利用したもので、安全性、透明性、不可逆性、および改ざん防止性に優れているという特徴がある。いづれにせよ、スウェーデン政府がCBDCの開発に積極的であることは明らかであり、早ければ2022年までに完全移行の実現もあり得るだろう。