ポルトガル政府が仮想通貨の利益に28%のキャピタルゲイン税を計画

ポルトガル政府が2023年より仮想通貨利益に28%のキャピタルゲイン税を計画

ポルトガル政府は10月10日(月曜日)、2023 年度国家予算の一部として発効する新しい仮想通貨税政策を提案。発行された政府発行のレポートによると、2023年から、仮想通貨の利益に対して28%のキャピタルゲイン税を計画している事が分かった。

約450ページに渡るマクロ経済(※1)戦略と財政政策のレポートの中で同国政府は、小さなセクションでは、ポルトガル政府が1年以内に行われた仮想通貨の利益に対して28%のキャピタルゲイン税を課すと発表。ただし、仮想通貨を1年間保持した後に実現した利益は、そのような税金から免除されるとのこと。同国政府はまた、無料の仮想通貨送金に4%の税金を課す予定もあり、該当する場合は印紙税も適用されるとのこと。

(※1)マクロ経済とは…
政府、企業、家計を一括りにした、経済社会全体の動きのことで、国や政府のレベルで物価や消費、金融などの動きを国全体から考える事。
SMBC日光証券より引用


仮想通貨は間もなく同国のキャピタルゲイン税法の対象に

今回の提案は、仮想通貨を他業界と同等に扱い、仮想通貨課税の明確な枠組みを確立することを目的としており、具体的な28%という課税は、国の標準的なキャピタルゲイン税率となっている。

予算案はまだポルトガル議会で承認されていないものの、同提案はフェルナンド・メディナ(Fernando Medina)財務大臣が5月に宣言した内容と一致しており、仮想通貨は間もなく同国のキャピタルゲイン税法の対象となるとみられる。過去10年間で、ポルトガルは外国人居住者にとって魅力的な目的地になっている。外国人居住者はより柔軟なビザと入国管理オプションと手頃な価格のために国に集まってきた。欧州委員会のデータによると、ポルトガルでは2011年から2021年にかけて移民が40%も増加。2021年時点で、総人口約1,000万人の5.4%が非市民となっている。

仮想通貨は、ポルトガルの人口動態が変化する理由の1つであり、同国には、イタリアとフランスでの仮想通貨税を回避するために移住した仮想通貨ホルダーの非公式の集まりである、メイア プライアに「ビットコインビーチ」と呼ばれるものがある。また、同国は4月に最初の仮想通貨銀行免許を付与。ポルトガル議会は2022年初めにビットコイン税法案を否決したものの、政権としては仮想通貨への課税をあきらめていない。

なお、月曜日に提案された予算案が承認された場合、新しい政策がポルトガルの仮想通貨経済にどのような影響を与えるか、また、企業や投資家が税率の低い国に逃げるインドのような国外流出に直面するかどうかはまだ分からない。