分散型取引所(DEX)の月間ボリュームは、前月比70%増加の過去最高を記録
イーサリアム(ETH)など仮想通貨に関する調査データを提供するDune Analyticsの研究チームは、分散型取引所(DEX)の活動が2020年6月に大幅に増加したことを報告した。報告されたデータによると、DEXにおける6月のボリュームは15億1,000万ドルに達し、5月の8億9,420万ドルのボリュームと比較すると、70%という驚異的な数値を記録している。
Dune Analyticsより画像引用
DEXのボリュームが10億ドルを上回ったのは今回の2020年6月が初めてでは無い。今年3月にもボリュームが10億5000万ドルを突破していることが分かる。また、これまで過去最高記録を更新していた2020年3月と6月を比較しても46%増加していることから、世界的な分散型取引所の認知度が急激に増加していることが分かる。
さらに今回の調査データでは、急激なDEXのボリューム増加に影響しているプラットフォームも明らかにされている。自動マーケットメーカープロトコルであるUniswapとCurveは、以下の市場シェアチャートに示すように、6月の取引量に最も貢献している。このようにUniswapとCurveは、記録された総ボリュームの53%を占めていることが分かる。
Dune Analyticsより画像引用
6月のCurveの獲得額は3億4040万ドルで、2020年5月全体の3800万ドルと比べると驚くべき成長である。Uniswapも同様に以前の統計で注目すべき点が多くある。2020年第1四半期にUniswapトレーダーは、2019年第1四半期よりも225%多く資金をスワップしているという。
しかし依然として資金やデータをひとつのプラットフォームで管理する中央集権取引所は、分散型取引所(DEX)よりもはるかに多くのトレーダーの資金を保有し、そのユーザー数も圧倒的な数値である。その背景には、プラットフォームのサービスの充実生はもちろん、取引スピードが利用率に大きく関係している。それに反してDEXのメリットは、ユーザーの秘密鍵を保持しない点にある。基本的にDEXは、ユーザーにトークン取引と保管のための必要な特別なブロックチェーンを提供するのみである。そのため、それらのトークンはプラットフォーム管理者などによって持ち逃げ(GOX)されることなく、高いセキュリティレベルを維持することができるのだ。
取引スピードや様々なサービスを求める今の仮想通貨市場。日本でもコインチェックのような中央集権体制によるハッキング事件を目の当たりにしたにも関わらず、ユーザーの関心は中央集権取引所と比べるといまだに大きく劣っているが、市場の分散化への興味が高まっていることは間違えないだろう。