ビットコインクジラ総数が3か月で1,800を超え、過去3年間で最高数値に
Glassnodeが公開したデータによると、現在1,800を超えるビットコインクジラがいることを示している。2016年にいったん減少したクジラの数は今年までの3年間で増えており、2020年に入ると毎月増加し続けている。クジラの増加はビットコイン相場が強気との見方をしている。
glassnode insightsより画像引用
もともと「クジラ」は仮想通貨市場で大量のビットコインを保有する個人投資家を表すために使用されている。通常、クジラは仮想通貨市場に新たに参入する初期のビットコイン投資家または裕福な個人であったが、機関投資家が市場へ参入し始めた今、「クジラ」の境界が拡大する可能性がある。
クジラの増加がなぜ前向きな兆候なのか
一部のアナリストは、流動性に影響を与える少数のマーケットメーカーの手に市場を集中させることができるため、仮想通貨市場でのクジラの大量発生は理想的ではないと考えている。少数の投資家が資産供給の大部分を保有している場合、クジラ間の売却が発生した場合、市場へ深刻なリスクをもたらす可能性がある。
グラスノードは、現時点でのクジラの増加はそれほど重要ではないとみている。その理由として、クジラが保有するビットコインの平均残高が実際には減少している点にある。さらに、集中化されたクジラのグループがここ数か月で多様化していることも示している。
クジラが保有するビットコインの量が増えると、より少ない投資家へのビットコインの供給の集中のレベルが上がる可能性がある。しかし、同等保有量のクジラが増えた場合、BTCを大量に保有している投資家の方が多いことを示している。Glassnodeレポートの著者であるリースル・アイヒホルツ(Liesl Eichholz)氏は、各クジラが保有するビットコインの平均残高は実際にはわずかに減少しており、個々のクジラは平均してより豊かにはなっていないものの、より多くのクジラがいると述べている。
新しいビットコインクジラは、必ずしも2020年に市場に参入した新規投資家ではなく、彼らは取引所または個々のウォレットに引き出すことを選択した投資家だ。この説が正しければ、取引所から個人ウォレットへの資金移動は、短期的に売るまたは取引する意欲の低下を示している可能性がある。
アイヒホルツ氏は、新しいクジラはどこから来たのか。最近の増加の多くが取引所からBTCを引き出す裕福なエンティティに起因する可能性があり、これは明らかに新しい富ではなく、むしろビットコインクジラがコインを保持することを選択する事を意味していると公式ブログ内で開設している。
今年3月中旬、先物契約で10億ドル以上の清算が行われた後、ビットコイン価格は4,000ドルを下回った。アイクホルツ氏は、クジラが3月の下落で買い増しをしていた可能性があると指摘している。実際に3月下旬には、仮想通貨取引所からビットコインの流出が大幅に急増。これはクジラの数の増加と一致しており、富裕層の投資家らが2020年第1四半期に60%の落ち込みで積極的に買い込んだことを示唆している。中期的に見ると、クジラが現在の価格レベルでビットコインを販売または取引することをためらうことが、販売圧力の低下を補って、新たな上昇傾向につながる可能性があると述べている。