JPモルガンCEO:株価はさらに20%下落する可能性があると警告

JPモルガンCEOは株価がさらに20%下落する可能性を警告

世界的な投資銀行であるJPモルガン(JPMorgan Chase & Co.)のジェイミー・ダイモン(Jamie Dimon)CEO(最高経営責任者)は、米国経済が6~9カ月でリセッションに傾く可能性があると警告したことが明らかになった。

同CEOは、ロンドンで開催されたJPM TechstarsカンファレンスにおいてCNBCとのインタビューで、米国経済と株式市場に関する警告を述べた。その内容には、インフレの暴走、予想以上の金利上昇、量的緩和の効果、ロシア・ウクライナ戦争など、米国経済を景気後退に追い込む可能性のある指標をいくつか挙げ、最大で株価が20%下落する可能性を示唆し同CEOは次のように語っている。

これらは非常に深刻な事態であり、今から6~9カ月後には米国と世界をある種の不況に追い込む可能性があると感じています。中央銀行があまりにも長く待ち、あまりにも何もしなかった。


戦況によって米国経済が変わるため準備しておくべき

ダイモンCEOは、米国経済は実際にはまだうまくいっていると考えており、2008年の世界金融危機の際よりも消費者の状態は良くなっている可能性が高いと語っている。

米国経済がいつまで景気後退に陥る可能性があるかという質問に対しては、確信が持てないことを認めたうえで、市場参加者にさまざまな結果を見極めるよう助言し、次のように語った。

この(ロシアとウクライナ)戦争がどうなるかにより、非常に穏やかなものからかなり厳しいものまで、多くのことが変わってくる。だから、推測は難しいが準備はしておくべきだ。


S&P500についても現水準からのさらなる下落を警告

一方で、S&P500(S&P500種指数)の見通しについても質問された同CEOは、市場は不安定で、ベンチマークは現在の水準からさらに下落する可能性があると強調した。

実際、金利がさらに100ベーシスポイント上がるのは、最初の100ベーシスポイントよりずっと深刻であり、S&P500は年初来ですでに25%下落。しかし、同CEOは2020年4月に年次書簡で悪い不況を予測し、JPモルガン株の買い戻しを止めたが、その後2020年4月から2021年4月まで、株価は52%上昇したとのこと。とはいえ、2008年に指数は史上最高値から10%近く下落した際、200日単純移動平均(SMA)を試しており、ヘッドアンドショルダー型のフォーメーションから、指数は2008年6月にネックラインを突破している。

現在のS&P500のチャートは2008年のチャートと酷似しているのは事実であり、今後6~9カ月での株価の動きに注目が集まっている。