Andreessen Horowitz が元CFTC職員を採用
米国のベンチャーキャピタル企業であるAndreessen Horowitz(※以下、同社の別名a16zで表記)は、仮想通貨投資に関する方針について同社に助言するため、CFTC(Commodity Futures Trading Commission=売国商品先物取引委員会)の元職員ブライアン・クインテンツ(Brian Quintenz)氏を採用した事が分かった。
a16zは仮想通貨とDeFi市場に関する問題に関して、クインテンツ氏の豊富な経験が必要不可欠であるとして次のように語っている。
仮想通貨とDeFi市場で革新的な思想家として長い間際立っており、暗号技術がどのように機能するか、そしてCFTCがこの問題についてどのように考えるかを理解しています。2者間の橋渡し役を担うクインテンツ氏の能力は、a16zの仮想通貨ポリシープログラムとポートフォリオ企業の成功の中心となるでしょう。
なお、クインテンズ氏は、a16z規制チームに加わることになるが、同チームにはほかにも、元財務長官のブレント・マッキントッシュ(Brent McIntosh)氏、元SEC職員のビル・ヒンマン(Bill Hinman)氏らに加わり、ポートフォリオプロジェクトにとって最重要専門知識のウォーターフロントをカバーするとのこと。クインテンズ氏の規制当局への任期は2021年8月に終了しており、同氏は2017年の任命以降、デジタル通貨規制緩和の主要なオピニオンリーダーを務めていたことで知られる人物である。
a16zのゼネラルパートナーであるケイティ・ハウン(Katie Haun)氏はクインテンツ氏の採用に際し、次のように語っている。
ブライアンがチームに加わって、ポリシーコミュニティ向けに仮想通貨を翻訳し、仮想通貨コミュニティ向けにポリシーを翻訳する作業を支援してくれたことに感謝しています。
SEC議長は今後DeFI市場に目を向ける
元ワシントン当局者であるクインテンズ氏の採用は、a16zが今年のSECによる、より積極的な要求を満たすための対応であると考えられている。
というのも、2021年9月初め、SECゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)議長は欧州議会の経済通貨委員会で仮想通貨を「非常に投機的」と見なしており、WSJ(ウォール・ストリートジャーナル)に対し、NEXTMONEYの特集記事「SECのゲイリー・ゲンスラー委員長は、DeFiアプリを規制できると述べる」で報じたように、SECの規制ヘッドランプをDeFi業界に向けると語っている。
実際、SECは高金利の仮想通貨製品をめぐってNEXTMONEYの特集記事「コインベースCEOが新サービスに対してSECが圧力を受けたと明かす」で報じたように、Coinbaseを訴えることを示唆。SECは、Coinbaseがステーブルコインの所有者に4%の利息を支払う「Coinbase Lend」と呼ばれる新製品を提供する計画を進めれば、訴訟も辞さないと警告している。
一方、a16zはDeFiの野心的なインターネットコンピュータープロジェクト初期の支援者としても知られており、3700億ドル(約40兆6,700億円)規模のクラウドコンピューティング業界に取って代わるとして期待を寄せている。さらに同社は、セクターへの投資で記録的な22億ドル(約2,418億円)を調達しており、デジタル資産には長期的な未来があるという信念を持っているようだ。