来年はビットコインが標的に!?
セキュリティ調査の研究をしているKaspersky(カスペルスキー)社が、12月1日、新サイバー犯罪レポートを発表。来年も世界中の経済が苦戦し続けた場合、ビットコインの盗難が来年から一般的になると述べている。
カスペルスキー社の最新レポート「Cyberthreats to financial organizations in 2021 (日本語訳:2021年の金融機関へのサイバー脅威)」によると、2021年は前年(2020年)に見られた脅威のほとんどが来年も続くほか、世界最大の仮想通貨を標的とした詐欺がさらに増えると予想している。
それらの背景には、コロナウイルスのパンデミックによって引き起こされる大規模な貧困の波を引き起こす可能性を指摘。そのような場合、犯罪が今後さらに増え続けると予測されており、特定の国や地域で経済が崩壊すると、現地通貨は急落するため、法定通貨が弱まり、より多くの人々がビットコインを初めとした仮想通貨を保有するようになると、レポートは予測している。
経済制裁下に置かれている国問題
また、経済制裁下に置かれている国による、サイバー犯罪者の作業を模倣したランサムウエアにさらに依存する可能性も指摘されている。すでに利用可能なコードの再利用や、独自キャンペーンを最初から作成したりできるようになるという。ランサムウエアグループによる大きな利益は、彼らの攻撃規模をさらに拡大させ、より多くの利益を手に入れると指摘されたる。
2021年、犯罪者は他の仮想通貨を「移行通貨」として使用し、盗まれた資産を他のコインに変えて自分たちの足跡を隠す可能性があるとレポートで述べている。これらの犯罪が可能とみられる秘匿性の高いプライバシーコインの一つであるモネロ(Monero/XMR)についてもレポートにて、以下のように言及しており、その理由として恐喝が増加している事をあげている。
Moneroなどの他のプライバシー強化通貨に切り替えて、最初に移行通貨として使用し、次に資金をBTCを含む他の任意の仮想通貨に変換する可能性がある。
金融資産を標的とするサイバー犯罪者は恐喝に依存しており、ランサムウエアでない場合、DDoS攻撃もしくはその両方を実行してくると予測。これらは、データを失い、徹底的なデータ回復プロセスを経て、オンライン操作からノックアウトされる企業にとって特に重要な脅威になる可能性があると述べた。
また、Kaspersky社は、パンデミック後の「急展開されたリモートワークソリューション」のため、今年の企業は2020年に安全性が低下したと報告書のなかで言及しており、特にランサムウエアを使用したサイバー攻撃が可能になったと指摘している。