エルサルバドルが法定通貨へ展開の中でビットコイン価格が急落

ついにエルサルバドルでビットコイン法が始動

エルサルバドルが法定通貨としてビットコインを採用した世界初の国になった一方で、ビットコインの価格が約17%の暴落を記録したことが分かった。

エルサルバドルは、以前からビットコインに対して積極的な姿勢を見せており、ビットコイン正式採用前に200ビットコインを買い増しし、合計550BTCを保有しており、CoinMarketCapの調べによると、9月9日時点の価格で約27億8,200万円の価値がある。

今回購入されたビットコインは、先週エルサルバドル議会で可決された1億5,000万ドル(約165億円)のビットコイン基金の一部であり、押し目買いのチャンスと読み取り、追加購入を決めたことをナジブ・ブケレ(Nayib Bukele)大統領はツイートしている。ブケレ大統領は、今回のビットコイン採用の諸費用として2億2,500万ドル(約247億円)以上を費やす予定であり、大規模な金融政策となる。

エルサルバドル国営Chivoウォレット

エルサルバドルでは、国営のChivoウォレットアプリをダウンロードすることで、市民に30ドル(約3,300円)相当のビットコインが付与され、ビットコインの普及を加速させている。

実際、国内には200台ほどのビットコインATMがすでに設置されており、ATMでビットコインを換金して現金で引きだでるほか、国が発行するビットコインウォレット「Chivo」をサポートするためのインフラも整備されている。しかし、政府はサーバーの容量を増やすために一時的にChivoを無効にしているため、ユーザーはChivoをインストールできなくなっている。

その後ブケレ大統領は、ツイッターを介してメンテナンスの終了を報告している。



ビットコインの暴落

エルサルバドルのビットコイン法の決定については、ビットコイン・コミュニティからは賞賛の声が上がったが、世界銀行IMF(国際通貨基金)は、財政上のリスクが増大するなどとしてエルサルバドルに警告を行なっているほか、国内でも数百人がビットコイン法に抗議するなどの事態に陥っている。なお、これらについては当NEXTMONEYの特集記事「世界銀行、エルサルバドルのビットコインの採用支援要請を拒否」、「エルサルバドル、大規模反ビットコイン抗議で街が埋め尽くされる」などでもお伝えしている。

ここ最近順調に推移していたビットコイン価格がここへきて約17%の暴落を記録。9月9日11時時点のビットコイン価格は、1BTC=509万円(46,000ドル台前半)前後で推移しており、前日同時刻比-2.05%、1週間で-7.25%と、一気に下落へ転じている。ただし、今回の暴落はエルサルバドルによるビットコイン法定通貨による影響と言うよりは、季節的な因果が噂されており、過去10年間で、9月はビットコインが唯一プラスのリターンを記録できていない月である可能性が高い。ビットコイン法定通貨採用については賛否があり、ボラティリティが激しいビットコインを通貨として利用することには依然として課題がありそうだ。

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