グレイスケールビットコイントラストが史上最大の割引に到達

GBTCの割引率が過去最大に到達

ニューヨークに拠点を置くグレイスケール・インベストメンツ(Grayscale Investments)のビットコイン信託であるグレイスケールビットコイントラスト(※以下、GBTCと表記)が、史上最大の割引に達している事が分かった。

GBTCは、仮想通貨によって裏付けられた初の公開取引されたトラストであるだけでなく、世界最大のビットコイントラスト(信託)でもあり、公開市場でその名をはせているものの、同社は過去に割引価格で取引されていたことから、簡単に手放すことはできなかったといわれている。この割引は2022年まで拡大を続け、史上最高値に達している。GBTCは、2022年の初の2四半期にNAV (※1)に対するディスカウントが着実に低下。第3四半期が終わりに近づくにつれて変化しており、9月は仮想通貨市場にとって歴史的に弱気な月であり、GBTCも熱を感じていた。

(※1)NAV(Net Asset Value)とは…
投資信託の貸借対照表(※バランスシート)の資産から負債を差し引いた純資産総額の事。

GBTCの36.2%の市場最大値に到達

GBTCはNAVに対するディスカウントが急上昇し、36.2%という新たな安値に到達している。

投資家がスポット価格帯よりも低い価格帯でデジタル資産へのエクスポージャーを提供するが、ウォール街では、これに足を踏み入れない理由について疑問を投げかけている。アラメダリサーチ(Arcane Research)は、その理由について2点考えられると推測。一つは、ウォール街の投資家がこの時点でトラストがもたらす機会を見過ごしている。そして2つ目は、現時点でビットコインに長期的なエクスポージャーを持つことを信じていないが、これら2点を挙げている。しかし、FRB(Federal Reserve Board=連邦準備制度理事会)が金利を引き下げ、ドルが過去数カ月間に獲得した強さの一部を失い始めた場合、ビットコイン(Bitcoin/BTC)価格は著しく回復する可能性がある。これによってGBTC割引が縮小し、投資家の利益につながるという。

ビットコインで手数料を稼ぐ

GBTCは存続期間中、クローズエンドトラスト(※2)のままであり、グレイスケール社は引き続き2%の年間管理費を徴収している。

SEC(米国証券取引委員会)がグレースケールのトラストをETF変更提案を拒否したため、市場はトラストが今後30年間クローズドエンドのままであると予想していることから、大幅な割引が行われている。

(※2)クローズエンドトラスト(cosed-end fund)とは…
発行側は買い戻しを保証していないため、投資家は換金申込みがあっても、発行者による発行証券の買戻しがされない投資信託のこと。原則として、満期まで解約、換金できない。

これが事実であり、GBTCが2045年までクローズエンドのままの場合、同社はこの間、数十万ビットコインの手数料を蓄積したことになる。正確には、トラストは2%の管理手数料から 235,000 BTCを受け取ることを意味する。ただし、これは、SECがトラストをETFに変更することを承認するかどうかに依存している事も事実である同社はすでにETF申請の却下をめぐって規制当局を法廷に引きずり出している。これらが承認されれば、同社は米国初のスポットビットコインETFを持つことになるだけに、市場関係者らも注視している。

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