米SEC会長、2020年末に辞任予定
17日の声明によると、米SECのJay Clayton(ジェイ・クレイトン)会長は今年末での辞任することが分かった。これは当初の2021年6月に辞任するという計画よりも、6か月早い辞任となる。
クレイトン会長は米ウォール街の弁護士出身であり、仮想通貨の新規株式公開(IPO)開示規制見直しや個人投資家が未公開株ファンドに出資しやするなど、金融や証券分野で規制緩和を進めてきた。クレイトン会長は、声明で次のように述べている。
SECの信じられないほど才能があり、意欲的な女性と男性と一緒に働くことは、私のキャリアのハイライトでした。SECのスタッフを率いる機会を与えてくれたトランプ大統領に感謝したい。常にメインストリートの投資家の利益に目を向けて、SECの三者の使命の各部分を前進させるための私たちの集合的な努力を誇りに思っています。米国の資本市場は世界で最も強力で機敏であり、多様で包括的なSECチームの努力により投資家保護を改善し、中小企業の資本形成を促進し、市場を機能させることができました。
クレイトン会長は2017年5月からSECの会長を務めており、彼の在職期間にはビットコインの最大の強気相場である2017年とICO全盛期の2018年を含んでいる。
一方でクレイトン会長は金融不正には厳しいスタンスを示しており、すべてのICOが未登録の証券を販売しているというスタンスを貫き、過去数年にわたって、SECはICOを実行する多くの仮想通貨プロジェクトに罰金を科してきた。
実際に、昨年だけでも多くの仮想通貨プロジェクトがTelegramのICOで違法な収入を集めたとされ、SECは12億6000万ドルの罰金を徴収しており、徴収した罰金などは単年度で過去最高を記録している。
バイデン前副大統領が率いる新政権に次期委員長の人選がなされるとみられているが、バイデン政権が発足するまで、共和党のヘスター・ピアースSEC委員が委員長代行を務めるとみられている。後任候補には金融機関の規制を担う米商品先物取引委員会(CFTC)のゲーリー・ゲンスラー元委員長などの名前が挙がっているとのこと。