著作権訴訟を取り下げたテレグラム、62万ドルの支払いを命じられる

著作権訴訟を取り下げたテレグラム、62万ドルの支払いを命じられる

匿名メッセージングアプリTelegramは、著作権の主張で会社を訴えようとしていたLantahLLCに、62万ドル(約6,500万円)の法定費用を支払う。

事の発端は、2018年にTelegramのメッセージングサービスのブロックチェーンイテレーションであるTelegram Open Network(TON)内で使用しようとしていた、Telegramの仮想通貨となる「GRAM」のティッカーをLantahLLCが侵害したとの主張から始まった。しかし、これに対してLantahLLCは、「GRAM」の商標登録を2017年後半に行なっており、米国特許商標庁にその名前で登録していたとして反論している。

Telegramは、TONやGRAMが規制当局によってプラットフォームが正常に機能していないことを把握し、自発的に訴訟を放棄することを決定したが、LantahLLCに法的費用として62万ドルの支払いを求められている。

法定費用の支払いと、ICOプロジェクトの失敗

LantahLLCは今回の訴訟にかかった法的費用として、1時間あたり900ドルの価格で1,030時間の支払いを要求したが、裁判所はこれを拒否し最終的に1時間あたり600米ドルでの支払い要求に落ち着いた。さらに、米証券取引委員会(SEC)は、ICOにより17億ドルを超える資金調達をしたGRAMの提供について、連邦証券法に違反しているとの見解を示し、Telegramは投資家に12億ドル以上を返済を行うこととなっている。

これによりTelegramは事実上、TONブロックチェーンの立ち上げを諦めざるを得ない結果となっており、メッセージングプラットフォームも1,800万ドルの罰金を科せられている。それでもTelegramのパヴェル・ドゥーロフCEOは以下のように述べ、次の成功者の検討を祈っている。

分散化やバランス、平等に向けて戦う人々に対して幸運を祈る。我々の戦いは正しい。この戦いは、我々の世代で最も重要な戦いかもしれない。我々は失敗したが、あなたは成功することを望んでいる。

Telegramは仮想通貨業界からは最もよく利用されているメッセージングアプリであり、コミュニティの盛り上がりもあることから、あくまでもTelegramは独自ブロックチェーンに対して強気な姿勢を見せている。