コインチェック事件の仮想通貨を没収
東京地方裁判所が、2018年に東京に拠点を構える仮想通貨取引所であるコインチェック(Coincheck)社から約580億円相当のネム(NEM/XEM流出事件に関する新たなニュースが飛び込んできた。
共同通信社の報道によると、組織犯罪処罰法違反(犯罪収益収受)の罪で公判中の男が取得したとされる、流出したネムの一部について、東京地裁は同法に基づき、全国初となる没収保全命令を下した。
19日に捜査関係者への取材で分かった今回の命令は、全国初とみられており、国内外から高い関心が寄せられている。捜査関係者の話によると東京地方裁判所は、東京に拠点を置く仮想通貨交換事業者コインチェック社(東京都渋谷区、蓮尾聡代表取締役/関東財務局長第00014号 平成31年1月11日登録)から漏えいした仮想通貨ネムを入手したとして起訴された男が設立した会社に、組織犯罪罰法に基づく将来の没収のために資産を保護するよう命じた。命令は警視庁の請求を受けて出された。
起訴されたのは北海道帯広市出身の医師、土井隆義被告(30歳)で、2018年のサイバー攻撃で仮想通貨ネム(XEM)が計580万相当のXEMが盗まれたと知りながら、NEMを入手したとして3月に逮捕されている。関係筋の話によると、警視庁は東京地裁に対し、盗まれた仮想通貨保護命令の発令を求めており、裁判所は今年3月30日にこの要求を受け入れた。なお、容疑者が有罪と判断され、判決が確定した場合、保護されているXEMは没収されるとのこと。
コインチェック(Coincheck)について
コインチェック(Coincheck)は、大規模仮想通貨流出事件から約1年後仮想通貨取引所を運営するため、金融庁の承認を獲得している。
コインチェックへのサイバー攻撃で2018年1月26日、コインチェックのクライアントが所有するほぼすべてのXEMが不正にアクセスによって、仮想通貨取引所のCoincheckから大量に流出した。当時の相場に換算し、計580億円相当のネム(XEM)が窃取された。
この事件に関与したハッキング犯は特定されておらず、MPD(Metropolitan Police Department=警視庁)は調査を続けている。なお、国内の仮想通貨交換所に預けていた約480万円相当のネムやビットコインが対象となっており、現在はすでに対象XEMの資産価値は大幅に落ちている。