イーサリアムが最高値を更新
23日に、世界で2番目に大きい仮想通貨が大きな動きを見せた。過去数時間にわたって、イーサリアムの価格は5カ月間見られなかったレベルに上昇し、2020年2月の最高値である285ドルには至っていないものの、価格上昇は順調に進んでいる。
(ETH/USD 7/23Chart by TradingView)
220ドルから250ドルの間で変動する数週間のレンジバウンドト取引(※低いトレンドラインのサポートで買い、より高いトレンドラインの抵抗で売る手法)に続き、イーサリアムは23日、最大270ドルの動きで抵抗を突破した。
この動きはETHの価格を50日の移動平均を快適に上回り、5月中旬に両者がゴールデンクロス(短期移動平均線が長期移動平均線を下から上に交差して抜ける状態)を見せたため、200日の移動平均も上回っている。2つの指標はさらに離れており、この時間枠で傾向が強まっていることを示している。ETHが2月の最高値である285ドルを上回った場合、次の目標は、強気傾向を確認するための360ドル前後の主要なレジスタンス/サポートである。
Ethereum 2.0最終テストネットの正式発表
現在の勢いの主な原動力となっているのは、“公式”の最終的なETH 2.0テストネットの立ち上げ発表にあるようだ。
22日(水曜)に、イーサリアム開発者は公式の公開テストネットの仕様をリリース。年末までにメインネットをリリースする希望を発表した。8月4日は、「Medalla」と呼ばれるETH 2.0パブリックテストネットが稼働する日で、Medallaは“メダル”を意味し、ETH 1.0の発売準備に使用された「オリンピック」テストネットへの同意である。
Medallaは、セレニティ(Serenity)アップグレードのフェーズ0の5番目のビーコンチェーンテストネットだ。新イーサリアムブロックチェーンは、最初にジェネシスブロックがマイニング、検証、およびテストされたときに、より小さな3.2 ETHデポジットを使用して4月にサファイア(Sapphire)テストネットで公開されている。
成功後の5月にトパーズ(Topaz)テストネットで32のETHノードがフル稼働し、共同創設者のヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏が確認したように、賭け金が発行された。次のテストネットは、6月のオニキス(Onyx)で、6月末までに約20,000のバリデーターで着実に稼働している。最後に、アルトナ(Altona v0.12)が調整したマルチクライアントテストネットが7月上旬に稼働し、8月に公開テストネットを展開する前に安定性を確保した。
これまでほとんどのテストを実施してきたPrysmatic Labsは先週、そのPrysm ETH 2.0クライアントがブロックチェーンセキュリティ会社Quantstampによる監査に成功したと報告した。週末にかけPrysmatic社は、開発者が最終的なテストネットの発表に「非常に近い」ことを確認した。
ETHを大幅に過小評価するクジラ
ビットコインと比較して、イーサリアムはかなり過小評価されている。ビットコインは史上最高以来、暴落したものの、現在はほぼ50%にまでゆっくり回復している。しかし、イーサリアムは依然として最高値より80%以上の価格で推移している。
チェーン分析プロバイダーのサンティメント(santiment)は、クジラが最近多くのETHを動かしており、過去3日間で約70万ドルのETHが上位100頭のクジラによって移動された事を指摘している。
米国銀行による仮想通貨管理サービスの許可
連邦政府により認可された米国の銀行が仮想通貨保管サービスを提供する可能性があるというニュースも、市場に大きな後押しを与え、通貨監督官庁による22日の発表に仮想通貨コミュニティが沸いた。
リップルのブラッド・ガーリングハウス(Brad Garlinghouse) CEO(最高経営責任者)は、業界の圧倒的なポジティブな発展について、次のようにツイートしている。
BOOM! Today’s ruling is a huge step forward. The @USOCC is absolutely leading the way to foster innovation, protect consumers and provide a level playing field for all. The future has never been fiat versus crypto – these can and should coexist in harmony! https://t.co/tlzVZrqcRj
— Brad Garlinghouse (@bgarlinghouse) July 22, 2020
「今日の判決は大きな前進です。イノベーションを促進し、消費者を保護し、すべての人に平等な競争条件を提供する方法を絶対的にリードしています。未来は決して暗号と対比することはありません。これらは調和して共存できるし、共存すべきです!」
仮想通貨市場は、時価総額の90億ドルの急増で2,850億ドルへ増え、6月2日以来の最高水準を記録。ビットコインもこの波に後押しされる形で再び9,500ドルを上回っている。
なお、イーサリアムのメダラテストネットが成功した場合、ETH 2.0は6カ月以内にメインネットに展開され、イーサリアムの価格は年末までに大きく動く可能性がある。