イーサリアムベースのブロックチェーン「Lition」がマイクロソフト「Azure」に追加
IT大手マイクロソフトは自社クラウドサービス「Azure」上にイーサリアムベースのエンタープライズ向けブロックチェーン「Lition」をサービスプロバイダーとして公式に統合し、今後、希少なパブリックプライベートブロックチェーンとして活用されることが判明した。
Litionとは、エンタープライズ向けに開発された、削除可能なデータ機能を備えた、イーサリアム上で構築される分散型のプラットフォームである。EUの一般データ保護規則(GDPR)などの規制に従った分散型アプリケーションの構築を可能にすることで、プライバシーの保護を行いながらスケーラブルに展開することを可能にした。
Litionを活用したトランザクションのユースケースとしてP2Pの電力取引プラットフォーム「Lition Energy」が存在する。イーサリアムのパブリックブロックチェーン上で実行される電力取引に対して、コンシューマー(消費者)、プロシューマー(生産消費者)は、プライベートキーを使用してトランザクションに署名し、それぞれの身元を真正性を担保しているようである。
Lition Energyはすでにドイツで高い評価を受けているようで、2020年第1四半期末までにガス顧客にサービスを提供する予定を立てており、 Energyサイドチェーンが処理するトランザクションの量が大幅に増加したことでスケーラビリティ問題も解決している。
LitionのCEOであるリチャード・ローワッサー氏は今回のAzure上で動く当社のサービスに関して、下記のように発言している。
「Litionは、すべての組織のブロックチェーンへのアクセス可能なオンランプの提供に取り組んでいます。導入のギャップを埋めるには、統合を可能な限りシームレスにすることが不可欠であると考えています。Azureは、お客様にとって大きな資産となります。Litionを市場に投入し、ブロックチェーンをビジネスに役立てることがいかに簡単かを人々に示すことに興奮しています。」
Litionが提供するサービスはP2P電力販売の他に、シンジケートローンや機関証明書を発行するプラットフォームとしても活用の場が広がっていることから2020年は多くの企業とのパートナーシップが生まれることが予測される。また、Azureという強力なインフラを手に入れたことでこの動きは加速していくことだろう。今後、様々な法律やガバナンスの問題をクリアにしたうえで、Litionネットワークが拡大してくことに期待したい。