仮想通貨取引所バイナンス、北京に新オフィス開設か =習近平主席のブロックチェーン発言に影響
世界最大の仮想通貨取引所バイナンスが、中国の北京に新たなオフィスを開設する予定であることがCoinDeskの有力な情報筋によって明らかになった。北京でのオフィスの開設の背景には、中国の習近平国家主席が発言した、中国におけるブロックチェーン技術の促進が関係しているようだ。
中国の習近平国家主席は先月24日、中国共産党の政治局委員会の会合にてブロックチェーン技術を促進を指示し、ブロックチェーン業界の参入について「チャンスを掴む」と発言。中国国内はもちろん、仮想通貨市場が大いに盛り上がりを見せた。さらには、ビットコインの価格にも反映。BTC価格は。過去24時間で40%近い上昇率を記録している。またBTC価格は一部取引所で1万ドルを突破した。
バイナンスの活動は「マルタ?」「アメリカ?」「中国?」
そしてバイナンスのオフィスについて。バイナンスは2017年、中国における仮想通貨事業者への規制などにより、同社オフィスをイギリス領のマルタ諸島へと拠点を移し、仮想通貨やブロックチェーン事業を展開してきた。事実的にはマルタ拠点となっているが、同社の従業員は北京でも活動を行なっている。
そのため、もしバイナンスの活動全体が北京に移り変わったとしても、バイナンスの運営には全くの影響はない。しかし、バイナンスは今年、米国へ進出するため、米国版の仮想通貨取引所として「Binance.US」を設立してている。そのため現在、米国と中国の間にある国際問題に影響から、北京へのオフィスの移転には問題が発生する可能性が少なくともある。
バイナンスと中国の独自仮想通貨の覇権争い
またバイナンスは、米ドルとペグしたステーブルコインとして機能する独自通貨プロジェクトである「Venus(ヴィーナス)」というプロジェクトを発表している。これは、米ドルとペグしたステーブルコインとしての機能を搭載しており、発表時点では「フェイスブックの独自通貨Libra(リブラ)と同様の機能」を持ち合わせていると説明されている。
中国政府・銀行も同様に、独自の仮想通貨の発行を示唆。政府系研究機関・中国国際経済交流センター(CIEE)副理事長Huang Qifan(黄奇帆)氏が先日、上海で行われた金融会議Bund Summitにて、中国人民銀行(PBOC)が発行するデジタル通貨「DCEP」について、実現すれば世界初の中央銀行発行デジタル通貨となること発言し、注目を集めている。
今後バイナンスは、どのようなバランスで仮想通貨関連事業への展開をしていくのか注目である。
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