SEC、無登録仮想通貨ディーラー運営でカンバーランドDRWを告発

SECがカンバーランドDRWを提訴

SEC(米国証券取引委員会)は2024年10月10日(木曜日)、シカゴに拠点を置く取引会社がソラナ(Solana)やポリゴン(Polygon)トークンなどを販売した際に無登録ブローカーとして営業していたとして、仮想通貨会社カンバーランドDRWを提訴したことが明らかになった。

2018年以降、同社は証券として提供・販売された20億ドル(約2973.9億円)以上の仮想通貨を取り扱ったとSECは主張している。SECは、同社に対し、すべての不正取引利益の放棄と罰金の支払いなどを要求。同社はこの告発に対して次のように述べている。

カンバーランドはXで公開された声明の中で、当社の業務や流動性を提供する資産に変更はありません。


ゲーリー・ゲンスラーSEC委員長が次期大統領選の火種か

ゲーリー・ゲンスラー(Gary Gensler)SEC委員長については、仮想通貨に対する同委員会の積極的な姿勢をめぐって、次期大統領選の火種となっている。

仮想通貨ベンチャーキャピタルのParadigm(パラダイム)によると、SECが2015年以降に行った仮想通貨関連の強制措置の半分以上は、同委員長の3年間の在任中に行われており、新興企業だけでなく、CoinbaseやBinanceといった世界最大の取引所も含まれている。同委員長は以前から、ほとんどの仮想通貨は株式や債券を規制する90年前の証券法に該当すると主張。トークンを証券として登録しないことで、多くの発行者が法律を破っていると主張してきた。

仮想通貨を扱う企業や起業家たちは反攻を開始し、裁判所が自分たちの味方をして、自分たちの活動が合法であると宣言してくれることを期待し、先手を打ってSECを訴えている。

一方で、共和党のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領候補は、当選したら同委員長を解雇すると約束。対立候補である民主党のカマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領も、同じことをすると金融幹部に語ったと伝えられている。さらに、SECのマーク・ウエダ(Mark Uyeda)委員(5人の委員からなる委員会の2人の共和党員のうちの1人)は、10日のフォックスビジネスで、同委員長の在任期間を大失敗であると非難している。

カンバーランドはSECによる不意打ちを示唆

カンバーランドは声明の中で、仮想通貨の状況について5年間にわたりSECと誠意をもって協議してきたと述べ、今回の訴訟に不意打ちを食らったことを示唆した。

SECの仮想通貨およびサイバー・ユニットのチーフ代理であるホルヘ・G・テンレイロ(Jorge G. Tenreiro)氏は声明の中で、次のように述べている。

仮想通貨の販売はすべてコモディティの販売に似ていると業界が頻繁に抗議しているにもかかわらず、われわれの訴状は、カンバーランド、それぞれの発行者、および客観的な投資家が、本件で問題となっている仮想通貨のオファーと販売を有価証券への投資として扱ったと主張している。カンバーランドは、投資家や市場に情報を提供することなく、これらの資産のディーラー活動から利益を得た。