マイニングパワーでハッカーと戦う
7月6日から10日まで開催されている分散型コミュニティ仮想イベント「Unitize」にて、研究者がハッカーと戦うソリューションを明かし注目を集めている。
機関投資家向けのオールインワン暗号金融データプロバイダーCoin Metricsの研究者で、ネットワークデータ責任者ルーカス・ヌッツィ(Lucas Nuzzi)氏は、仮想通貨取引所がハッカーと戦うための1つの方法は、オンラインマーケットプレイスからマイニングパワーを借りることだとスピーチした。ヌッツィ氏は、ハッキングされた取引所がオンライン市場を通じて十分なハッシュパワーを貸し出すことで、好ましいネットワーク再編成を強制できると語っている。
同氏は、仮想通貨取引所がハッキングされた場合、マイナーの力を借りて6つの作業確認内で取引所自身の再編成を試みるテクニックを解説。マイニングによって6つのブロック内で、ホットウォレットが排出されたトランザクションを変更できる可能性があり、マイナーによるアプローチの1つだと語っている。
また、同氏はビットコイントランザクションが確認前に必ずしも最終形ではないという事実をほのめかし、ハッシュパワーの大部分をレンタルするか、マイニングプールと連携することによって取引所はハッキングが発生しないバージョンのチェーンを受け入れることを選択できると述べている。
ヌッツィ氏による解説は、少なくともビットコインに関しては、ほとんどの人にとって非現実的に聞こえるかもしれないが、BinanceのCZ氏ことチャンペン・ジャオ(Changpeng Zhao:趙長鵬)CEOはBinanceのハッキング問題を真剣に検討していたため、ヌッツィ氏のソリューションによって計画を再考したと伝えられている。
実際にこのソリューションは、交換や、NiceHashを介してBTCを再編成することは不可能だが、Scrypta(LYRA)やEquihashなどのニッチなハッシュアルゴリズムが多い小さなブロックチェーンに対しては効果的な反撃になる可能性があるとヌッツィ氏はメディアに答えている。
さらに同氏は、ビットコインゴールド(BitcoinGold/BTG)への攻撃についても指摘しており、コミュニティが攻撃者を撃退してヌッツィ氏の理論を裏付けることができたと述べている。