イーサリアムアドレスがブラックリストへ
ステーブルコインのUSD Coin(USDC)を10万ドル相当保有するイーサリアムアドレスが、ブラックリストに登録された。2020年6月16日に動きを見せたこのトランザクションは、ブロックチェーンエクスプローラのEtherscanから確認できる。
USD Coin(USDC)とは、コインベース(Coinbase)社とCircle(サークル)社によって運営されるCENTRE(センター)によって2018年9月から発行されている仮想通貨版のドルだ。
今回注目されたトランザクション「0x5dB0115f3B72d19cEa34dD697cf412Ff86dc7E1b」は、USDCを発行するエンティティであるCENTREが所有するアドレスだ。最下部にある「入力データ」欄の右横に「blacklist」と表示されている。トランザクションへの入力を形成したバイナリデータ(※メッセージ呼び出しの場合は入力データ。契約作成の場合いは契約の初期化)で「ブラックリスト」という名前のアドレスがブラックリスト関数を呼び出したアドレスと一致することがわかる。
Circle公式サイトによると、USDCスマートコントラクトによる転送が失敗する可能性があるケースとして、送信者または受信者のウォレットアドレスがブラックリストに登録されている場合を挙げている。グローバルブラックリストはUSDCスマートコントラクトによって維持されるが、これは裁判所命令やグローバル制裁規制などの法的要件に準拠するために実装された機能だ。
ブラックリストに記載されたアドレスに保有されているUSDC残高に関連する引当金は、完全かつ永久に回復できない場合があるとされている。今回報じられたケースでについて、naze
ブラックリストに登録されたのか、明確な理由はわかっていない。ユーザーはブラックリストに登録されたアドレスに関連付けられた別アドレスのEtherscanコメント欄にて、盗んだとしている相手に対してメッセージを送っている。
「こんにちは未知の泥棒、あなたはこのethアドレス0xEeC84548aAd50A465963bB501e39160c58366692と連絡を取り、私の財布から10,000ループリングコイン(750ユーロ)を盗みました。10,000ループリングコインを送り返すチャンスを差し上げています。あなたはすでに私のethアドレスを知っています。これを行わない場合は、既知の2つのアドレスを使用してどこにでも報告します。あなたが行動したまさにその方法は、あなたがハッカーであることを疑いません。そして、誰もが私が何を意味するかを理解するために、ここにトランザクション番号があります。(日本語訳)」
なお、Circle代表者は、「CENTREは法執行機関からの要求に応じてアドレスがブラックリストに登録されたことを確認できます。法執行機関の要求の詳細についてコメントすることはできませんが、裁判所の命令など、法的拘束力を遵守します。」と海外メディアにコメントしている。