ワンコイン弁護士の刑事詐欺に実刑判決
元弁護士のマーク・スコット(Mark Scott)氏は仮想通貨スキームとして知られるワンコイン(OneCoin)のマネーロンダリング(資金洗浄)で懲役10年の判決を受け、3億9,200万ドル(約579億円)の没収を命じられたことが分かった。
ワンコインの最新展開で、スコット元弁護士が厳しい法的判決に直面。ニューヨーク南部地区連邦地方裁判所のエドガルド・ラモス(Edgardo Ramos)判事はスコットに対し、懲役10年の判決を下した。この結果は、銀行詐欺とマネーロンダリングを犯した共謀罪での2019年の有罪判決に続くものとなっている。元弁護士が法律専門家から有罪判決を受けた重犯罪者に転落したのは、失敗だ。
2015年6月から2016年9月まで、法律事務所ロックロードのパートナーとして雇用されていた元弁護士は、素晴らしいキャリアを積んでいるように見えていたが、ワンコインとその創設者であるルジャ・イグナトワ(Ruja Ignatova)氏とカール・セバスティアン・グリーンウッド(Karl Sebastian Greenwood)氏との関わりが彼の経歴をゆがめる事となる。その結果検察は、元弁護士が2016年からワンコインのために数百万ドルを洗浄することに貢献したことを明らかにした。違法な収益を移動させるために偽の投資ファンドを設立した事実は、この作戦にとって極めて重要なポイントとなってしまう。元弁護士はサービスの対価として5,000万ドル(約73.8億円)以上を受け取り、それを高級車、ヨット、高級不動産に贅沢に費やした。
元弁護士の行動による影響は、犯罪行為を通じて資金を提供した贅沢なライフスタイルをはるかに超えている。世界中の投資家を騙すスキームであるワンコインへの元弁護士の関与は、数え切れないほどの個人を打ちのめした。検察側は罪の重さを強調し、当初は少なくとも17年の刑を求刑。対照的に、元弁護士の弁護側は寛大さを主張し、彼をすでに4年間の自宅監禁に耐えた「傷ついた男」であるとアポールしている。
仮想通貨世界におけるより広範な影響
元弁護士の判決は仮想通貨業界に長い影を落としたが、彼の訴訟は孤立したものではない。
元FTX CEOのサム・バンクマン・フリード(Sam Bankman-Fried)氏、元バイナンスCEO(最高経営責任者)のジャオ・チャンポン(趙 長鵬:Zhao Changpeng)氏、元Celsius(セルシウス)CEOのアレックス・マシンスキー(Alex Mashinsky)氏など、仮想通貨界の他の著名人も法廷闘争に直面。スコット元弁護士は懲役刑に加えて、銀行口座、ヨット、ポルシェ2台、不動産などのさまざまな資産とともに、3億9,294万ドルの没収を命じられている。
ワンコインの継続調査
スコット元弁護士は判決に直面しているものの、ワンコインの物語はまだ終わっていない。
報道によると、スコットさんの弁護士は、量刑決定に対する控訴を待つ間、保釈を請求するつもりだと述べたという。共同創設者のグリーンウッド氏は2023年9月に懲役20年の判決を受け、ルジャ・イグナトワ氏は現在も行方不明のまま逃亡中だ。世界中の当局が責任者の責任を追及し、この詐欺の被害者に何らかの賠償を与えるべく取り組んでいる中、ワンコイン事件における正義の追求は続いている。