ブラジル中央銀行、WhatsAppへの新規支払いを一時停止措置に
ブラジルの中央銀行は、発売からわずか1週間後にWhatsApp(ワッツアップ)による支払いを禁止し、VisaおよびMastercardによる支払いの一時停止をしたことを海外の複数メディアが報じた。
ブラジル中央銀行は、ビザとマスターカードに対し、ブラジルでの支払い取り決めの監督者義務として、WhatsAppを介した支払いと送金を直ちに停止するよう命じたと述べた。中央銀行は、この決定について、相互運用可能で高速、安全、透明、オープンで安価な決済システムの機能を確保する適切な競争環境を維持することを目的としているとコメントしている。
WhatsAppは先週ブラジルで支払い機能を新たに展開し、ブラジル銀行(Banco do Brasil)、ヌバンク(Nubank)、およびSicredi社のVisaおよびMastercardカードをサポート。しかし、中央銀行は、ビザとマスターカードがその命令に従わない場合、罰金と行政による制裁対象になると述べた。
さらに、ブラジルの国家競争規制当局である経済防衛行政審議会(CADE)は、支払い処理業者であるCieloとのWhatsAppのパートナーシップをブロックしている。規制当局によるとCieloは高い市場シェアを有しており、WhatsAppはブラジルに数百万人のユーザーを抱えているため、「参入時に大きな市場力を保証できる」と語っている。
中央銀行は、ブラジルの決済システム(SPB)の適切な機能に対するリスクを評価し、2013年の法律第12.865条で規定されている「原則と規則の遵守」を検証することができるとコメントしている。同時に、WhatsAppを介した支払いの操作について、ブラジルの支払いシステムについて、「規制当局による事前の分析なしでの運用の開始または継続は、特に競争、効率、およびデータのプライバシーに関して、SPBに修復不可能な損害を与える可能性がある。」とコメント。回復不能な損害を与える可能性があることを指摘した。
ブラジルで新決済サービスを展開したばかりのWhatsApp
今週月曜、フェイスブックは子会社のWhatsAppによる決済サービスFacebook Payの発売をブラジルで発表したばかりだ。Facebook Payは、アプリケーションを使用するビジネスアカウントに加えて、個人でも利用できる。そのため、料金を支払うことなく、友達同士で送金や受け取りができるようになるものの、ビジネスアカウントの場合、Facebook Payが受け取る支払いには定額料金がかかる。
同サービスは、ユーザーがアプリケーションを介して請求書を支払い、購入することに加えて、お金を送ったり受け取ったりすることができるとしている。WhatsAppの運営元であるフェイスブックはステーブルコインプロジェクトLibraについて世界中の規制当局から厳しい批判に直面しています。
なお、WhatsApp広報担当者はメディアに対し、同社は「地元のパートナーと中央銀行」と協力して支払いサービスを可能にすることを続けるとコメントしている。またブラジル中央銀行側は、「私たちはフォローしていますが、時期尚早だ」とWhatsAppでの支払いについて語っている。