中国テンセント、ブロックチェーンやAIを含む金融分野に700億ドルを投資
中国の大手IT企業テンセント・ホールディングスは、ブロックチェーンやクラウドコンピューティング、人工知能などのフィンテック分野に、今後5年で700億ドル(約7兆5,000億円)近く投資する予定であることが報じられた。
ロイター通信によると、本発表に関してテンセントの上級副社長であるDowson Tong氏は、主要な投資対象としてブロックチェーン、サーバー、ビッグデータセンター、スーパーコンピューター、IoT、5Gネットワーク、量子コンピューティングなどが含まれると、国営メディアのインタビューで語ったという。
テンセントはメッセージングアプリ「WeChat」や様々なゲームアプリケーションで有名だが、中国政府が最近ブロックチェーンを受け入れたことで、フィンテック開発を強化したい考えのようだ。本報道後、テンセントの株価は2.5% 高騰している。
新型コロナウイルスがフィンテック技術への関心を高める
新型コロナウイルスによる世界的な危機は、企業がクラウドベースの技術インフラ整備を促進する重要な要因になっている。Tong氏は、「この新たなインフラ戦略を加速させることでウイルスの封じ込めをさらに強固にするために役立つ」と語っている。調査会社Canalysによると、テンセントクラウドの第4四半期の中国における市場シェアは18%で、アリババグループが占める46%に次いで2番手の位置についている。
クラウド市場で首位を走るアリババは、先月クラウドインフラに3年間で2,000億元(約3兆円)を投資すると発表。中国の最高権力機関「中国人民代表大会」では、ブロックチェーン産業の発展や環境構築を目的とした政府支援の「ブロックチェーン開発基金」の導入が検討されている。中国におけるブロックチェーン技術への位置付けが高まったことによる影響は、テンセントによるブロックチェーンへの財政支援にも影響しているようだ。