イーサリアム分散型取引所、月間最高取引量を記録
Ethereum分析サイトDune Analyticsのデータによると、イーサリアムの分散型取引所(DEX)の取引量が、月間最高取引量を記録したことが明らかになった。
これまでのDEXの最高取引量は2019年7月に記録された3億5800万ドルが最も高い月間取引高だったのだが、今回2020年2月DEXの取引高は3億7,200万ドルを超え、過去最高の取引量となった。また、2月のDEXの取引量は前月と比較すると62%の増加を記録しており、大きく取引量を伸ばしたことがわかる。
今回、DEXでの取引量は記録的な数値になったが、イーサリアム自体の価格は最高記録時の価格を超えておらず、価格とは別の要因で取引量が増加したと考えられる。DEXでの取引量が増加した理由はいくつか考えられるが、その一つにここ最近のビットコイン価格の堅調な推移が挙げられるだろう。ビットコインの価格上昇の理由として5月に控えたビットコインの半減期が挙げられており、半減期にビットコインの流通量が減ることから価格上昇の期待感の表れとして価格を上げていると考えられ、それと同時にDEXの仮想通貨にも影響を与えているようだ。
そのほかの理由として、2017年の仮想通貨バブル期以来出来ていた多くの仮想通貨取引所が相次いで経営難に陥っていることも考えられる。というのも、主要な仮想通貨以外を多く取り扱っていた取引所の多くが閉鎖を決定しており、取引所自体への不信感の高まりから閉鎖などの恐れのないDEXに資金が流れていることが考えられる。
DEXはその特性として中央管理者が存在しないため、ハッキングなどのリスクが極めて低いことや高額な手数料を取られる心配もないというのがメリットである。今後DEXはますます仮想通貨取引所のメインになっていくと考えられており、この時期に取引量を伸ばしたことは大きな指標の一つだと考えられる。