中国マイニング大手カナン社、11月20日にナスダックでIPO開始
2019年11月1日、大手ビットコインマイニングメーカーCanaan(カナン)社が11月20日にナスダックに上場するとの情報が、メディアサイトTheBlockで報じられた。ビットコインマイニングマシンの販売シェア64.5%を占める最大手はBitmain(ビットメイン )社だが、そのライバル企業でもあるカナンは2番目に大きく、市場の23.3%を占めている。カナンは2019年のビットコインブル相場を受けて業績が改善した。
カナンは先月28日に、米国外資系金融機関シティグループ・スイス大手金融機関クレディスイス・商取引銀行ギャラクシーデジタル、その他の4企業を引受会社としてIPOを申請。4億ドルの調達を目指しているが、価格は不明。
ギャラクシーデジタルは新部門Galaxy Digital Asset Managementを設立し、11月に2つのビットコインファンドを立ち上げる計画がある。
注目されるIPO
米国でのIPOは、個人投資家であるエンジェル投資家やハイリターン狙いの投資ファンドであるベンチャーキャピタルにとって、他の投資手段よりも多い利益が見込めるため人気だ(当然ハイリスク)。
ベンチャー企業の成長段階には4段階あるが、ナスダックに上場する企業は2段階目の「アーリーステージ」であることが多く、設備や開発などに多くの資金を必要する。
そのためIPOで資金を集めるのだが、米国のIPOは条件が厳しいことでも知られており、米国ではIPOを行う企業の質を高めるためと、投資家により多くの情報を提示するため(投資家保護の観点から)、ディスクロージャー(企業内容開示)が要求される。SECにも書類を申請する必要がある。
ナスダック上場成功は大きな進展
多くのベンチャー企業はナスダック上場を狙うが、ここで立ちはだかるのがトランプ大統領だ。かの政権の元、上場のルールを変更したナスダックは外国中小企業の上場が難しくなった。ナスダックは政権とのつながりを否定したが、実質中国に対する政策とも受け取れる。
カナンは香港や中国での上場に失敗しているが、ライバルのBitmainも香港でのIPOが失敗した。もしナスダック上場が実現すれば中国系企業にとって大きな進展となるだろう。
来年はビットコインの半減期を迎えマイナー報酬が半減するため、多くの個人マイナーの撤退が予想される。効率良く稼げるマシンの開発が次のビットコインブルに繋がるのかもしれない。
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