FTCはメタバースの独占の試みをめぐってMeta社を訴訟

FTCはMetaによるWithin 社買収を阻止

FTC(Federal Trade Commission=米国公正取引委員会)は、Meta(旧、Facebook)社がVRアプリメーカーのWithinを買収する計画を巡り、訴訟を起こしたことが明らかになった。

7月27日(水曜日)、FTCは、Meta社によるUnlimitedとそのバーチャルリアリティ・フィットネスアプリ「Supernatural」の買収を阻止するために提訴したとのこと。FacebookやInstagramの親会社であるMetaは、VR(仮想現実)分野の最大手であり、その名の通り、未来のメタバースに向けて強力に推し進めているとのこと。しかし、FTCは、Metaが計画しているWithinの買収は、Withinを完全支配するための新たな一歩になると考えており、メタバースの独占になるとの見解を示しているとのこと。

MetaはFTCの主張を否定

メタバースは、ユーザーがアバターを使って重なり合う3D空間で交流する、インターネットの未来の進化形と見なされている。

Metaはこの分野で強力に推進しているが、ブロックチェーン分野のビルダーのように、NFTや仮想通貨などのWeb3技術を使用するかどうかは明らかになっておらず、FTCは今回の買収について次のように語っている。

日本語訳:
FTCは、バーチャルリアリティの巨人であるMetaによる人気のアプリクリエーターの買収を阻止しようとしています。

Metaの買収は、将来の技術革新と競争上のライバル関係を弱めることになると考えられます。したがって独占禁止法に違反する可能性があります。

そのため、FTCはMeta社に対し、同社が発表した人気フィットネスアプリ「Supernatural」を手がけるVRゲーム開発会社Withinの買収を阻止するため、カリフォルニア州北部地区の連邦地方裁判所に提訴したとのこと。実際、FTCの申請は、VRにとどまらず、2021年秋にFacebookから社名を変更したほど目指しているメタバースという広い領域にも及んでいる。

2021年10月に、Quest 2ヘッドセット(旧Oculus Quest 2)を製造するMetaは、VRゲーム開発会社Withinの買収計画を明らかにしていたとのこと。一方で、Metaは声明の中でFTCの主張を否定しており、この買収がVRフィットネス分野に新たな投資を注入することを強調し、加えて、SupernaturalとBeat Saberが類似の体験であることを否定し、Metaの副社長兼競争・規制担当副顧問のニヒル・シャンバッグ(Nikhil Shanbhag)氏は次のように語っている。

オンラインやコネクテッドフィットネスのように参入と成長が著しいダイナミックな空間で、この買収が反競争的な結果につながるという考えは理解しがたいものがあります。