SEC、ビットコインETFを全て非承認=希望はバスケット型のビットコインETFのみ
SEC(米国証券取引委員会)に申請されていたビットコインETFは、現在までに全て非承認となっている。残る申請中のETFは1つ。Wilshire Phoenix社がNYSE Arcaと共同で提出した、バスケット型のビットコインETFだ。Wilshire Phoenix社がビットコインETFを申請したのは今年5月。他のビットコインETFと異なる最大の特徴は、ビットコイン単体ではなく米国債にも均等な割合で投資をする点だろう。
Wilshire Phoenix社の創業者であるウィリアム・ハーマン氏は、「私たちがSECに提出したビットコインETFは、これまで申請されたものとは大きく異なります。違いを挙げるとすれば、私たちが投資をするのは、ビットコイン単体ではありません。それは、マルチアセットの信託のようなものです。」と述べており、非承認となったこれまでの商品との違いを電話インタビューにて強調している。
価格操作のリスクを減少する仕掛け
SECのもっぱらの懸念事項は、規制下にない取引所でも取引されているビットコインが、価格操作を受ける可能性があることと、その保管方法だ。保管方法についてはテクノロジーの進歩で解決できる可能性もあるが、価格操作に関してはさまざまな国や地域でビットコインが取引されていることを考慮すると、改善することは非常に難しい。ここ最近では、テキサス大学の研究者らによって、たった1人の大口投資家が2017年のビットコインバブルを生み出したというレポートまで出ている。
いっぽう、ハーマン氏によれば、Wilshire Phoenix社のビットコインETFには価格の影響を受けづらい仕掛けがあるという。具体的には、ビットコインの価格変動率が高まった時には、ビットコインへの投資の比率を引き下げ、米国債への投資の比率を引き上げるとのこと。これによって、ビットコインが価格操作を受けたとしても、そのリスクを最小限に止めようという狙いがある。
加えて、「監視シェア協定」も導入する予定だ。監視シェア協定はCMEで導入されている、ビットコインの現物価格を基にしたコンプライアンス方式のこと。ハーマン氏によれば、「監視シェア協定」はこれまでのビットコインETFにはなかったとしており、SECの懸念事項を払拭できると自信を覗かせている。SECはWilshire Phoenix社のビットコインETFに関して、現在パブリックコメントを募集している。承認を得ることができるのか、今後の動きにも要注目だ。
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