米国人の30%は、米ドルが金に支えられていると信じている
仮想通貨のマイニング事業を手がけるジェネシス・マイニングは、「米ドルの価値が何に裏付けられているのか」というアンケートを取った。このアンケート結果によると、米国人の約30%がドルの価値の裏付けは金であると考えているようだ。
1944年のIMF(国際通貨基金)設立と共に施行されたブレトンウッズ体制のもと、米国ではドルの裏付けに金を使っていた。これはいわゆる金本位制だが、この体制は1971年にすでに終了しており、それ以降米ドルは金との交換が保証されていない不換紙幣となった。それにも関わらず、約30%もの米国人が未だにドルの裏付けを金だと思っていることは、驚くべき事実だろう。
米ドルの価値の裏付けを問うこのアンケートでは、30.1%が政府による価値の保証、29.3%が金、7.1%は無回答、5.8%が債権、4.1%は原油、23.6%は何も知らないと答えている。ほとんどの回答者が、自国の法定通貨に対して誤解を持っていることがわかる。
金本位制を信じる考えがビットコインに与える影響
今回のアンケートでわかったことは、金本位制度はすでに終わりを迎えているが、多くの人が通貨の価値の裏付けを金に求めていたということだ。また、この調査結果は、ビットコインとは何かを誰かに説明するために非常に役立つだろう。
たとえば、米国の経済状況が悪化したらどうなるだろうか。ドルの価値は米国経済に支えられており、政府や中央銀行の信頼によって成り立っているが、金に裏付けされていない以上、景気が悪くなればその価値は減少するだろう。これに対して、ビットコインは明確な発行元すら存在しません。しかし、それによって国の経済状況に影響を受けない価値を人々へ提供することができる。
たとえば、アルゼンチンでは大統領選を前にビットコインの取引高が急増している。経済収支の悪化と政情不安からくる深刻な通貨危機が起こっており、ビットコインは自国の法定通貨を信じられなくなった人の逃避先となっている。こうした状況はアルゼンチンだけではない。南米のベネズエラでも、政情不安と通貨危機からビットコインの取引高が急増している。