フェイスブックCEO、「仮想通貨リブラは規制当局に承認するまで発売しない」

フェイスブックCEO、「仮想通貨リブラは規制当局に承認するまで発売しない」

Facebook Inc.のCEOであるMark Zuckerbergは、今回新たに発表した声明で米国の規制当局の承認を得ることなくデジタル通貨リブラの販売を進めるつもりはないと述べた。今回の声明の背景には仮想通貨リブラを使用したグローバルな支払いシステムが、マネーロンダリングなどの犯罪に使われる可能性があるという懸念が各所から上がっていたことによるものである。

20の主要経済国のグループは先週の財務責任者会議で、マネーロンダリングや違法な金融行動などに関する深刻なリスクに対処しない限り、グローバルデジタル通貨を展開すべきではないことに同意している。23日の下院金融サービス委員会での聴聞会に先立って発表された声明でZuckerbergは、Facebookがこのようなさまざまなリスクに対処することを約束した。

顧客データに関する問題点

またリブラ専用のウォレットであるカリブラについても、フェイスブックのソーシャルデータとカリブラの金融データをしっかりと分けると説明。カリブラのデータ管理は以前から問題視されていたことの一つであり、ソーシャルデータと結びつけることを避けることで犯罪などに利用される懸念を払拭する狙いだ。しかし、Zuckerbergは仮想通貨リブラの問題についての議論に時間をかけることを嫌っているようだ。

というのも「中国は今後数か月でリブラと同様な仮想通貨プロジェクトを立ち上げるために急速に動いています。こうなればアメリカの金融面でのリーダーシップを妨げるかもしれないです。」と彼は話す。Facebookが今年6月に発表したリブラプロジェクトは、携帯電話は持っているが銀行口座を持っていない世界中の人々に低コストで海外に送金する機能を与える目的で作られたものである。