ザッカーバーグCEO、「米規制当局から承認されない場合、リブラ協会から抜ける」=中央集権化への懸念

ザッカーバーグCEO、「米規制当局から承認されない場合、リブラ協会から抜ける」=中央集権化への懸念

フェイスブックの創設者であるMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は23日、米下院の金融サービスにて開催された議会証言にて、「仮想通貨リブラが米規制当局から承認されなければ、フェイスブックは仮想通貨リブラの運営を行うリブラ協会から抜ける」と発言した。

今回の発言のきっかけは、ビル・ハイゼンガ議員が「もし米国のすべての規制当局らから承認をされなかった場合、フェイスブックはどどう対応するか?」という質問に対して、ザッカーバーグ氏は「その時には、リブラ協会から抜ける」と説明した。この発言の背景には、フェイスブック社が抱える膨大な顧客データと、その扱いが問題として起因している。

フェイスブックが政府よりも強力な存在になる可能性

フェイスブックは、世界中の顧客データを保有し、そのデータの活用について賛否両論の声が挙がっている。これがどのようにフェイスブックが発行を計画するリブラと関係するのだろうか。批難の声には通貨問題もあるが、昨今問題となっているのは「他の政府よりも強大な力を持つ可能性がある。」という点である。顧客データを使用し、米国政府も保有していない情報を持っているとすると、相当危険な存在になることは容易に想像ができる。

2019年8月には、フェイスブック社は香港で今現在も続いている「香港デモ」を妨害し、情報操作することを目的とした中国政府とつながりのあるアカウントを削除。中国政府とつながりがあったために削除されたアカウントは、5つのアカウントをはじめとし、7つのページと3つのグループが削除されている。このように実際に、顧客データをフェイスブックが閲覧し、データを操作できる状況にあるという事実は、仮想通貨の基盤となっているブロックチェーン技術の非中央集権を否定する形となってしまう。

また、ザッカーバーグ氏は「米国の規制当局の承認を得ることなくデジタル通貨リブラの販売を進めるつもりはない」とも述べており、米規制当局の判断によって、フェイスブックとリブラ協会の関係を委ねることを明言している状況である。

フェイスブックCEO、「仮想通貨リブラは規制当局に承認するまで発売しない」

2019.10.24

フェイスブック社、香港デモ関連のアカウントを削除|リブラには悪影響か

2019.08.20