フェイスブック社、香港デモ関連のアカウントを削除|リブラには悪影響か

フェイスブック社、香港デモ関連のアカウントを削除|リブラには悪影響か

フェイスブック社がすでに発表している仮想通貨プロジェクト「Libra(リブラ)」に、大きな影響を与える情報が明らかになった。

2019年8月19日、フェイスブック社は香港で今現在も続いている「香港デモ」を妨害し、情報操作することを目的とした中国政府とつながりのあるアカウントを削除したことがBBCの報道によって明らかになった。今回、中国政府とつながりがあったために削除されたアカウントは、5つのアカウントをはじめとし、7つのページと3つのグループが削除されたようだ。

そしてフェイスブックが発行を計画するLibra(リブラ)との関係性である。リブラは現在、プロジェクトの理念を描くホワイトペーパーのみを公開しており、米国をはじめとする規制当局から批難の声を浴びている状況だ。その批難の声には、通貨問題もあるが、昨今問題となっているのは「他の政府よりも強大な力を持つ可能性がある」という点である。

フェイスブックのアカウント削除は何が問題なのか?

仮想通貨イーサリアム(ETH)の創設者であるヴィタリク・ブテリン氏は、以前からこの問題について発言している人物の一人だ。同氏はリブラについて「Libraは、多くの国の政府よりも強力になるという意図しない結果をもたらす可能性がある」と指摘。この発言をした理由は2018年8月、「ミャンマー軍に関連する18のアカウントと52のページの削除」ことが要因である。

この時フェイスブック社は、ミャンマーの少数民族を標的としたアカウントを運営にて、軍高官を含む20の個人および組織を削除。さらにはInstagramからも1件のアカウントが削除している。また、今回の香港デモに関するアカウント削除について、フェイスブックのサイバーセキュリティ部門の責任者であるNathaniel Gleicher氏は次のように述べている。

「彼らは、地元の政治ニュースや香港で進行中の抗議のようなトピックを含む問題について頻繁に投稿しました。この活動の背後にいる人々は身元を隠そうとしましたが、私たちの調査は中国政府に関係する個人へのリンクを発見しました。」

どのような指示や命令からアカウントを削除したのか、詳細は明らかになっていないものの、一企業がどのようにしてアカウントを閲覧し、削除の対象になっている事実は、政府以上の力を持つ可能性がある。

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2019.07.08