Facebookの仮想通貨に、中国人民元が含まれる可能性は低い=Bloomberg
2019年9月10日、仮想通貨リブラの通貨バスケット(リブラリザーブ)に中国の人民元が入る可能性の低いことが、BNNブルームバーグの報道で判明した。
中国が人民元をリブラの通貨バスケットに含めるよう要求するかもしれないことに不安を抱くマーク・ワーナー上院議員へと、フェイスブックが対応した形となっている。米ドルが支配する経済体制を変えるべく、中国は人民元を他国の外貨準備金に入れることに積極的だ。リブラは、ひとつの通貨(あるいは金のような資産に)ペグされるのではなく、ステーブルコインよりもさらに価格変動を抑えるために複数の通貨と連動する。
今回の報道によれば、リブラの価値を裏付けるために用意される初期の準備金は、米ドル・ユーロ・日本円・英ポンド・シンガポールドルが入る可能性が高いとされる。リブラリザーブがどの通貨になるのか、正式な数や国名は公式発表されていないが、最終的には、フェイスブックだけでなく、リブラアソシエーションも判断を下すということだ。
リブラリザーブのリストが作られる際には、直接的・間接的に規制上の制限を含むすべての事実と状況に基づいて決済されるとしているため、為替操作の疑惑がある中国の通貨は含まれない可能性が高い。
為替操作国に認定された中国
2019年8月5日、米財務省はトランプ大統領の後押しを受け、中国を為替操作国に認定。トランプ大統領は、同日、1ドル=7元台にまで下落したことを受け、ツイッターで「中国が史上最低水準まで下落させた。これは為替操作だ」と中国政府を批判した。
事の発端は8月1日、トランプ大統領が中国に対してさらなる制裁関税を課すと発表したことだ。これにより中国からのほとんどの輸入品に追加関税がかかる事態に。人民元のレートが下落したのは、このためだと推測される。現時点では1ドル=約7.12元。
米財務省の発表によれば、中国当局は人民元の為替レートを管理していることを認めているという。中国人民銀行(PBOC)は豊富な経験と政策ツールを持っていると公言していることから、頻繁に為替操作を行っているとされる。今後、米財務省は国際通貨基金(IMF)と協力して、中国が行っている不公平な競争を正していくという。
結局のところ、フェイスブックはより多くの利用者が見込める中国よりも、規制が厳しい米国側についたと言えるだろう。フェイスブックは米国の規制要件を守ると断言している。