ビットコインによるクラウドファンディング、開始25時間で目標達成|Torプロジェクト
2019年7月17日、匿名ブラウザを制作するTor Project(トーアプロジェクト)が、ビットコインによるクラウドファンディング開始後25時間で目標金額の1万ドルに達成したことを発表した。送られた資金は、すべてTor Projectが所有するハードウェアウォレットLedger Nano Xに直接送られる。
サイトの画像を見ると、Nano X本体にはTorのロゴがプリントされており、Ledgerがクラウドファンディングのイベントスポンサーになっていることが分かる。
原稿執筆時には399人の参加者が合計11,406ドル(約120万円)の資金援助をしている。サイトを見ると、5ドル以上の寄付が289人、20ドル以上の寄付が62人、50ドル以上の寄付が20人、100ドル以上の寄付が24人、1,000ドル以上の寄付が4人と公表されている。目標金額に達したが、クラウドファンディングは予定通り7月30日まで行われる。チームは「可能であれば寄付と支援を続けて下さい」と訴えている。
なお、寄付はサイトか、BTCPayで受け付けている。また、クラウドファンディング以外でも、Augur、Bitcoin Cash、Dash、イーサリアム、モネロ、ライトコイン、Stellar(Lumen)、Zcashで通常の寄付ができる。
Torはネットの接続経路を匿名化するため、実名で情報発信できない反体制・反社会勢力の活動や、不正の内部告発などの手段として注目されている反面、ドラッグや武器などの違法売買にも使われている。2014年のVPN(バーチャルプライベートネットワーク)のデータではあるが、利用者数で最も多いのが中国だった。社会主義国や共産主義国の利用者が多いのは、それらの国のネット規制が厳しいからだ。
なお、他にも似たものでI2P(不可視インターネットプロジェクト)がある。
Tor自体はブロックチェーン技術とは無関係だが、その匿名性の高さから、仮想通貨と接点がないわけではない。闇サイト(ダークウェブサイト)にアクセスする際のブラウザにTorを使い、決済に仮想通貨を使えば、ユーザーを特定することは難しくなる。2017年のデータによると、世界で最もTorが使われているのはアメリカで、次いでドイツ・ロシア・フランスが挙げられる。中央集権に逆らうTorが、非中央集権(分散型)の代表格仮想通貨でクラウドファンディングを行うことはとても興味深いことだ。