NY最高裁判所はテザー社に対して、取引所ビットフィネックスへの「資金援助・融資の禁止」を命令|ビットコイン下落
ニューヨーク州の最高裁判所は16日(現地時間)、世界中で最も使用されているステーブルコイン「USDT」を発行するテザー社に対して、これまで仮想通貨取引所Bitfinex(ビットフィネックス)に支払ってきた、ローン提供やクレジット支払いに関する文書を引き渡すように命じたことが明らかになった。
また、今回の文書では、ビットフィネックスとのローン提供やクレジット支払いなどに関する文書の引き渡しの他に、テザー社がビットフィネックスに対して、通常営業外での融資および、資金援助を行わないように命令が出されている。
ビットフィネックスおよび、テザー社の問題
今回の一連のテザー社の問題は先月26日頃、NY州のLetitia James司法長官が取引所ビットフィネックスおよび、ステーブルコインUSDTを発行するテザー社の親会社であるiFinex社、それらに関する関連事業者を高祖する裁判所命令を取得したことが明らかになった。
当初の発表では、取引所ビットフィネックスおよび、テザーがステーブルコインUSDTの裏付け資金7億ドル(約784億円)を不正に利用し、顧客資金と企業資金を混在させているのではないかというものである。
しかしその後、これまで米ドルと1対1の価値で連動していると主張していたがテザー社は一転し、テザー社とビットフィネックスの顧問弁護士Stuart Hoegner氏が「USDTの74%しか米ドルで裏付けされていない」とニューヨーク司法長官(NYAG)に対する宣誓供述書で明らかにしている。
また今回の問題で名前が挙がっている取引所ビットフィネックスと、ステーブルコインUSDTを発行するテザー社のCEOは、同一人物である。
ニューヨーク検事総長(NYAG)は、今後とのビットフィネックスおよび、テザー社に関する調査を続けていくようであり、同氏は次のように述べいている。
「裁判所は、予備的差止命令は、被告の合法的な事業活動に不必要に干渉することなく、OAGの合法的な法執行機関の懸念に対処するように調整されるべきであると判断している。」
また今回の発表では、以下の要点が今後のキーワードになる。
- テザー社は、通常の業務遂行の場合を除き、取引所ビットフィネックスまたは他の関連団体に資産を貸与することはできない。
- テザー社は、給与および通常の請負業者、コンサルタント、またはベンダーへの支払いを除き、その準備金から役員、従業員、またはその他の個人に資金を分配することはできない。
- 取引所ビットフィネックスおよびテザー社は、NYAGの当初の召喚状で求められているいかなる方法による文書の改変も許可されていない。
- 差止命令は90日で期限切れになりますが、NYAGの事務所はその2週間前にそれを延長するように裁判所に請願することができる。