トロン(TRON)CEOジャスティン・サン氏がイーサリアムとの提携を示唆

トロン(TRON)CEOジャスティン・サン氏がイーサリアムとの提携を示唆

トロン(TRON)を運営するTron Foundation のCEOを務めるジャスティン・サン氏が、イーサリアムとの提携を示唆したことが明らかとなった。ポッドキャスト配信「TheCryptoChick」で5日に発言した。

※TheCryptoChickは、仮想通貨・ブロックチェーン技術に関する情報を配信しているポッドキャスト・メディア。

ジャスティン・サン氏からは、「イーサリアムとの提携は、業界全体に利益をもたらすものとなる」といった趣旨の発言もなされ、イーサリアムとの提携に意欲的な姿勢を見せている。

トロンとイーサリアムは、かねてからその競合関係に注目が集まっていた。

トロンは2017年9月の発行当初、イーサリアム上のトークン(ERC20トークン)として発行されたが、2018年6月に独自のプラットフォームを立ち上げ、イーサリアム・プラットフォームからの移行が実施されたという経緯がある。

トロンが独自のプラットフォームを立ち上げる以前、Dapps開発プラットフォームとしてはイーサリアムが重宝されてきた。これには、「イーサリアムしか選択肢がなかった」という理由もあったようだ。

しかし最近では、状況は一変している。

2018年6月にはEOSもローンチされ、Dapps開発プラットフォームとして急速に認知度を高めていった。

イーサリアムからトロンやEOSといったDapps開発プラットフォームへと開発者が流入しているといった現状が報じられることもある。

こうした、Dapps開発プラットフォーム間の競合が激しくなっていく中で、トロンとイーサリアムの提携が実現すれば、Dapps開発に新たな可能性を生むとともに、同業界に刺激を与える結果となるだろう。

トロンを基盤としたテザー(USDT)の発行についても言及

同配信では、トロンを基盤としたステーブルコイン「テザー(USDT)」を9日に発行する予定であるといった発言もなされている。

これに関しては、「トロンを基盤としたテザーの発行を2019年第2四半期までに実現させる」旨が3月にも公表されていた。また、トロンとテザーの提携についても、同日に公表がなされている。

現在、テザーは米ドルペッグのステーブルコインとして、ビットコイン及びイーサリアムを基盤としたテザーがそれぞれ発行されている。

米ドルペッグを実現させるための根拠としては、テザーを運営するTether Limited(テザー・リミテッド)が、テザーの発行額と同等の米ドルを担保として保有していることが前提とされているが、これについては、かねてから懐疑的な意見も散見されていた。

Tether Limitedから、その保有状況に関する証拠が公開されていないためだ。

さらに、2018年10月15日、テザーは急激な価格変動により約 0.85USDT/USDまで下落した。

1ドルを大きく下回るこの価格変動には市場に困惑が広がったという過去もある。

Dapps開発プラットフォームとして注目を集めているトロン上でのテザー発行は、市場のテザーに対する懐疑心を緩和させる結果となるのか。

トロン(TRX)は、「TheCryptoChick」のポッドキャスト配信が行われた後、6日~8日にかけて、最高約10%の価格上昇をみせ、現在は0.028ドル台で推移している。