「ICOで発行したトークン価値が54%減少している」|ビットメックスが発表
2017年の仮想通貨バブルの中でICOに投資したという方は多いだろう。
しかし現在ではICO(イーサリアムネットワーク上の100社以上のICO)によって発行されたトークンの資産価値は発行当時の約240億ドルから54%減少し、50億ドル程度の規模になったことをビットメックス(仮想通貨取引所)が発表した。
ICOとはInitial Coin Offeringと呼ばれるIPOに似た資金調達方法で、スタートアップ企業が資金調達する際に独自の仮想通貨を発行することをいう。54%もの減少となると「大きく減少」したイメージをうけるが、ビットメックスは「まだ50億ドルもある」と考えている。
ICOは不透明性が大きい
ICOの最大の問題点として挙げられるのが「不透明性」だ。
IPOの場合は上場を果たすことによって資金調達をするのと同時に「事業計画書」や「直近決算書」を開示しなければならない。従って事業計画書が杜撰であれば資金は当然集まらず、直近決算が悪ければ投資を見送るといった行動をとることが出来る。
しかしICOには「事業計画」がなくても資金が集まり、「直近決算」を開示しなくても良い為、杜撰な管理体制でも資金調達が可能となってしまった。
このような背景から多くの詐欺師が群がり、意味のないICOを乱立させることによって資金をだまし取る輩が続出、社会問題となっている。
また、発行したトークンはBurn(焼却)と呼ばれる「仮想通貨を秘密鍵が誰にも分からないアドレスに送る事で仮想通貨を二度と使用出来ないようにする行為」がICOをおこなった企業が自由に行える状況の為、不正にトークン価格を吊り上げることも可能だ。
「資金調達したトークンは好きに使用できる」「Burnにより価格操作も可能」といったある意味馬鹿げたICOにこれだけの資金が流入したのはひとえに「仮想通貨バブル」のおかげだが、50億ドルまで減ったトークンはどの様に使用されるのだろうか。
ICOという資金調達方法は真っ当な事業者からみれば夢のある資金調達方法であるため、現在のICO案件がこれ以上悪評が広まらなければ、今後もICOの制度が残る可能性はあるかもしれない。ICOを行った企業は今後、発行したトークンをどの様に扱うのか注目される。