今世紀最大のハッキング事件をきっかけに、仮想通貨交換業コインチェックを買収したマネックスグループは12日、メディア向けの事業戦略説明会にて、マネックスグループの米国子会社である「TradeStation(トレードステーション)」が2019年第一四半期までに仮想通貨トレーディング事業をスタートすることを正式に発表した。
また、説明かのなかでは、アジアを中心とした仮想通貨の資金調達方法であるICO(イニシャルコインオファリング)および、仮想通貨市場に新たに登場した資金調達方法であるSTO(セキュリティトークンオファリング)などの新規ビジネスに意欲的な姿勢で望むようだ。
さらに、マネックスグループが運営する仮想通貨取引所コインチェックについて、仮想通貨市場での強みを「クリプトアセット事業の基軸となるコインチャックの強み」と題して、説明した。
- 優れたUI、UX
- マーケティング力
- 高い技術力
- システムセキュリティ
- ユーザーサポート
これらの強みについては、取引所コインチェックのハッキング事件を受けセキュリティの強化を重点的に置いているようだ。
また現在、取引所コインチェックは仮想通貨交換業の「みなし業者」として運営をしている。交換業登録について、コインチェックの勝屋敏彦氏は「金融庁とともに判断を行いつつコインチェックの仮想通貨交換業としての判断を決めていく」と述べた。
【トレードステーション】仮想通貨トレーディング事業について
マネックスグループの仮想通貨トレーディング事業は以前から大きな注目を集めていた。同社の松本社長は2018年5月、米ブルームバーグのインタビューにて「アメリカ国内で仮想通貨に関する取引事業の拡大を目指している」とインタビューに答え、次のように米国での仮想通貨事業について詳しく述べている。
「日本は暗号では一歩前進しているように見えるかもしれないが、セキュリティやトークンを決定し、機関投資家を誘致する点で、米国と欧州が進んでいる」
トレードステーションはマネックスグループの子会社として米国を拠点に証券事業を展開。同社のCEOであるジョン・バートルマン氏は「これまで準備してきた仮想通貨トレーディング事業を2019年の第一四半期に開始することを嬉しく思います。」と述べている。