ビットスタンプ(Bitstamp)が米国の顧客向けに複数リストを削除

ビットスタンプが複数の取扱い人気仮想通貨を停止へ

米国ユーザー向けの仮想通貨取引所ビットスタンプ(Bitstamp)で、複数の人気仮想通貨の取引が間もなく停止される予定であることが公式ブログを通じて発表された。

日本語訳:
米国ユーザー向けのアップデート
8月29日より:AXS、CHZ、MANA、MATIC、NEAR、SAND、SOLの取引は、最近の市場動向を評価した後、停止されます。
オープントレードを実行します。その後のトークンの保持および引き出しには影響はありません。

2023年8月29日(火曜日)より同取引所は、米国顧客向けのアクシーインフィニティ(Axie Infinity/AXS)、チリーズ(Chiliz/CHZ)、ディセントラランド(Decentraland/MANA)、ポリゴン(Polygon/MATIC)、ニアプロトコル(NEAR Protocol/NEAR)、サンドボックス(The Sandbox/SAND)、ソラナ(Solana/SOL)の取引を一時停止し、これらの資産に対する既存の注文をすべてキャンセルするとのこと。同取引所は、今回の決定について、米国の規制環境の変化を考慮した、同社の仮想通貨サービスの継続的な評価の一環として行われたと主張。この期限を過ぎると、米国を拠点とする同取引所ユーザーはプラットフォーム上でこれらの仮想通貨を取引できなくなるが、米国の顧客は引き続きアカウントに資産を保持し、いつでも引き出せるとのこと。

対象日以降の取引は米国顧客に対して永久無効に

ビットスタンプはユーザーに対し、取引停止中のスムーズな移行を確保するため、8月29日の期限までに影響を受ける資産の任意の買い注文または売り注文を実行するよう推奨している。

その日以降、対象仮想通貨に関連する取引は、米国の顧客に対して永久に無効になる。今回の決定は、仮想通貨業界がSEC https://www.sec.gov/ (米国証券取引委員会)やその他の機関からの厳しい規制の監視に直面している中で下されている。このような環境の中、取引環境を維持しつつ自社を保護し、進化する規制動向に合わせようとする取り組みにより、最終的には特定のトークンへの米国顧客のアクセスを制限という決定を下すに至っている。

また、米国の顧客向けにこれらの資産の上場を廃止したにもかかわらず同取引所は、プラットフォーム上で取引できる最大30の仮想通貨を提供し続けると主張。米国ユーザーへの停止にもかかわらず、引き続き包括的な取引オプションを提供することに尽力すると述べている。

SECによる監視の影響について疑問

今決定は、ビットスタンプの米国仮想通貨市場からの撤退の可能性と、広範な仮想通貨業界に対する SEC による監視の影響について疑問を引き起こしている。

米国の規制環境を理由に資産を上場廃止にした主要仮想通貨取引所はビットスタンプが初めてではない。2023年初めには、イートロ(Etoro)、ロビンフッド(Robinhood)、バックト(Bakkt)なども特定の仮想通貨のサポートを削除。厳しい規制環境により、多くの取引所は米国の規則を遵守し、潜在的な法的問題を回避するため、提供するサービスを制限しているのが現状だ。

一方で、同取引所が米国顧客向け複数のトークンへのアクセスを終了するというニュースは、同取引所が、ヨーロッパのより仮想通貨に優しい可能性のある新しい市場に移行することで市場範囲を拡大する計画を明らかにした最新報告に続くものだ。

実際、2021年に同取引所は、米国の顧客数が163万人であると報告。これは世界のユーザーベースの36%に相当するが、SECが米国で仮想通貨の取り組みを積極的に進めていることから、仮想通貨取引所が取引サービスを提供するため、より安全で仮想通貨に優しい市場を探し始めているとみられる。コインベース(Coinbase)バイナンス(Binance)など、複数の仮想通貨プラットフォームと仮想通貨がSEC訴訟の犠牲になっており、ネオバンクのレボリュート(Revolut)のようなフィンテック企業や取引所は同取引所と同様のルートをとり、米国でのサービス停止後、より規制に優しい市場への移行を計画し始めている。