インドの中央銀行はヒンディー語と英語でのUPI会話型取引を計画
インドの中央銀行にあたるRBI(Reserve Bank of India:インド準備銀行)のシャクティカンタ・ダス(Shaktikanta Das)総裁は、ユーザーがAI(人工知能)を活用したシステムと会話し、安全・安心な環境で支払いができるようになる即時「会話型決済」の技術の導入を検討している事が分かった。
各国は経済のデジタル化にますます注力しており、インドではすでにUPI(統一決済インターフェース)システムが大量に利用されているが、RBIはAIを通じて会話型決済を統合したいと考えている。RBIは、ユーザーがAIと会話してUPI支払いを開始および完了できる機能の提案を発表。最初は、ユーザーはヒンディー語と英語で音声コマンドを渡すものの、最終的には、同銀行はより多くの地域言語での会話を可能にすることに取り組む予定という。UPIは、モバイルデバイスで利用できるインスタントピアツーピアおよびピアツーマーチャントのトランザクション機能だ。
デジタル通貨の推進
UPI はインドで大規模な導入を経験しているが、RBIもCBDC(中央銀行発行デジタル通貨)である電子ルピーを開始しており。現在は試験段階にある。
2023年7月にはインドの民間金融業者HDFC銀行(HDFC Bank Ltd)が電子ルピー試験プログラムに10万人以上の顧客と17万人以上の加盟店を登録したと報じられている。多くの国が独自のCBDC の開発に向けて競い合っているのが現状だ。BIS(国際決済銀行)は、20近くの中央銀行がデジタル通貨を開始すると考えている。
中国CBDCであるデジタル人民元が取引額2,500億ドル(約36兆円)のマイルストーンに達している。さらに、中国はタイ、香港、UAE(アラブ首長国連邦)と協力して決済プラットフォームmBridgeの開発に取り組んでいる。このプラットフォームは、国際貿易決済におけるドルの代替手段として人民元を確立することを目的としている。
CBDCの人気の高まりに伴い、スマートコントラクトプラットフォームのシェアダム(Sharedum)共同創設者であるニシャル・シェティ(Nischal Shetty)氏は、「世界はドル化からの移行を目撃するかもしれない」と語っている。