南アフリカ共和国北東部に位置するランセリアに住み仮想通貨トレードを行っていた男性が拉致され、暴行を受け銀行口座をはじめとする個人情報と仮想通貨ウォレットのパスワードを要求されていた事がわかったと地元メディアが報じた。
地元メディアによると今回の事件の被害者である男性は先月16日に、Facebookを通して知り合った男に仮想通貨に関する討論会のようなものに招待された。被害者の男性は招待された家を訪れ男性4人、女性2人の前でプレゼンテーションを行ったという。
事件の経緯
被害者の男性の話では、プレゼンテーションを行った後何者かにより薬物を含ませていたとされる布を背後から顔面に押し当てられその直後意識を失った。その後全く別の見知らぬ場所で目を覚ました被害者男性は、男性3人と女性2人に囲まれていたという。
そして、被害者男性は着ていた衣類を脱がされた後、殴る蹴るなどの暴行を受け南アフリカにあるFirst National Bank(ファースト・ナショナル・バンク)のアカウント情報と、仮想通貨ウォレットのパスワードを教えるよう脅迫。さらに、被害者男性はアイロンを押し当てられ犯人グループに「情報を教えなければ命はない」などと脅されたと話している。
ビットコインの関する犯罪とは
被害者男性は最初の内は決して情報を情報を明かさない姿勢を貫いていたが、拷問を受けた後日本円で約670万円分のビットコインを犯人グループの一人の仮想通貨ウォレットに送らされ、また現金日本円で約82万円を犯人グループの銀行口座に送らされた。
さらに、被害者男性は当時持っていた現金日本円で約2万円とラップトップ、iPhone2台を奪い取られた後目隠しをされて道路上に置き去りにされたという。
被害者男性は体のいたるところに火傷を負い、搬送された病院の集中治療室で現在治療を受けている。この度の事件を受け警察当局は捜査を開始し、犯人グループの行方を追っている。南アフリカでは、今年の初旬にケープタウン在住の男性が誘拐され身代金として家族が50ビットコイン(BTC)を払ったことで解放されたといった事件も起きていた。