仮想通貨市場はビットコインをはじめとする仮想通貨全体の価格が暴落している。
そんな中、2014年3月にビットコインのハッキングを受けた仮想通貨取引所Mt.GOX(マウントゴックス)の民事再生について新たな発表があった。
マウントゴックス事件として仮想通貨市場の大きな衝撃をもたらしたハッキング事件を担当している、小林信明氏は「2018年12月26日までMt.GOX(マウントゴックス)の申し入れの受付を延長するため、裁判所に求める努力を行う。」と発表した。
発表された文書の内容は、「2018年12月26日(日本時間)までに申し立てを受付を行なっていました。締め切り後に提出された申し立てが受け入れられるかどうかは、裁判所によって決定され、それは可能性でしかありません。」とされている。
Mt.GOX事件と民事再生の経緯
Mt.GOX(マウントゴックス)事件とは2014年3月、日本を拠点としていた仮想通貨取引所「Mt.GOX」が何者かによって、同取引所の保有するビットコインをハッキングしたという事件である。被害総額は約75万BTCとされ、当時日本円にして約28億円が紛失している。
マウントゴックスのハッキング事件によって約13万人(日本人は約1000人)とされている。
さらに、仮想通貨用語として「GOX」という言葉をよく聞くと思うが、マウントゴックス事件では当初、同取引所の元CEOであるカルプレス氏が、ハッキングに見せかけた資金の持ち逃げではないかと噂され、仮想通貨市場では「資金の持ち逃げ=GOX」と呼ばれるようになった。しかし、現在では、ハッキングであることが証明され、当時の仮想通貨市場において最大のハッキング事件とされている。
民事再生
取引所マウントゴックスは2018年6月22日、ハッキング被害を受けた投資家に対して、民事再生という手段で、保有していたビットコインを変換する発表を行なっていた。
民事再生について「再生債権の提出期限」を、2018年10月22日として発表していた。
再生計画案作成の基本方針
1. 計画案はシンプルで確実性の高いものとする
2. 株主に対する分配は行わない
3. BTC債権者に対してBTCなどを分配する
4. 金銭債権者に対し、一定の保護措置をとる
5. 第1回弁済は、再生計画認可決定確定後(2019年5月~6月頃を予定)、速やかに行う
6. 残余財産が生じた場合、または新たに財産が発見された場合は追加弁済を行う
7. スポンサーの選定は、債権者のメリットが明らかな場合を除き、原則として行わない。
民事再生が決定する以前は、破産手続きを行い大量のビットコインが市場に流出する事態へ。1月のビットコインの暴落はマウントゴックスによるビットコインの大量売却ではないかと噂されていたが、現在は、民事再生によってビットコインの売り圧が大幅に減っている。