台湾の大手携帯会社HTCがWeb3 summitの2日目にブロックチェーンに対応した次世代のスマートフォン「エクソダス・ワン(EXODUS1)」を発表した。また同社は今週の火曜からに早期受付の予約注文を開始するとも発表している。
このスマートフォンは仮想通貨でのみ購入することができ、12月に販売を開始する予定だという。
エクソダス・ワンはアメリカや香港、ニュージーランド、シンガポール、またイギリスを始めとするヨーロッパ諸国の34の国での利用が可能となるという。だが香港HTCでは、一般発売の具体的な日時についてはまだ発表を行っていない。
エクソダス・ワンにあげられる長所としてセキュリティー面の強さがあげられる。このスマートフォンは、利用者が仮想通貨を安全に保管出来るよう、ハードウェア暗号化ウォレットとして開発されたという。
また今年の7月には韓国の大手家電企業SAMSUNG(サムスン)がTEE(Trusted Execution Environment)と呼ばれる重要なデータを安全に保護するためのシステムを発表しており、スマートフォンの方がパソコンやウェブ等の媒体を利用するよりも仮想通貨による決済処理をより安全なものに出来ると言われている。
このTEEによりスマートフォンはデバイスとは別に、ストレージとメモリーにおいて固有の実行環境を持つ事が出来るという。これにより、仮にハッキング等の被害にあったとしても保護された内部情報が流出することは無いという。「TEEのもつ利点により暗号キーは保護することが出来る。しかし一部のウォレット開発者は、暗号キーを単純にスマートフォン内部のストレージに保管したがる可能性がある。その場合は情報が保護されない可能性がある。」とSAMSUNGのジョエル・スナイダー氏(Joel Snyder)は説明したている。
エクソダス・ワンはこのTEEという機能を利用し、セキュアエンクレーブと呼ばれる機能を搭載している。これにより仮想通貨を扱うキーが格納され、仮想通貨を安全に保管する事が可能だという。
エクソダス・ワンはビットコイン(BTC)及び、イーサリアム(ETH)でのみ購入が可能となっており、価格はビットコインなら0.15BTC、イーサリアムなら4.78ETHとなっている。しかし仮想通貨の価格は一定のものではない為、ビットコインやイーサリアムの価格が上昇すれば、スマートフォン本体の価格も上がる事となる。
「エクソダス・ワンを仮想通貨でのみ購入可能にすることは、コアな顧客やこのような機能を欲する人々、すなわちブロックチェーンコミュニティーへのアピールを意味している。このプロジェクトは仮想通貨に対する私たちの信念を反映している。実際には内部で多くの過程を修繕し、新しいディストリビューターを確保する必要があった。その上で、今回仮想通貨でのみ製品の購入を受け入れるという目標を達成できている。」とHTCのフィル・チェン(Phill Chen)氏は香港のメディアに対し語った。
またフィル・チェン氏は、「私たちの目標はブロックチェーンコミュニティーからサービスをスタートし、テクノロジーやウォレットを安全に保管することである。最近の調査によると現在仮想通貨市場には約3500万のウォレットが存在しています。エクソダス・ワンは顧客が自身の暗号キーを持つ事に慣れてもらう事から初めて、いずれはエクソダス・ワンを今以上に大きな市場に対応することができるデバイスに成長させていきたい。」と語っている。
さらにHTCでは、エクソダス・ワンを利用して暗号キーを保管し、トランザクションへの署名を可能にするシステムを発表する予定であるという。